Re: ウェブブラウザの「リーダー」モードの実装状況
著
kzakzaさんがお書きになったウェブブラウザの「リーダー」モードの実装状況という記事を読みました。記事のなかで、ブラウザの「リーダー」モードの実装状況とそのモードが備えている機能
がまとめられているのですが、その結果がなかなか興味深かったです。表において「リーダー」モードを備えていないのは、IE11と音声ブラウザのNetReader Ⅱを除くと唯一、Chromeだけなのですね(あくまでkzakzaさんがお調べになった範囲でのお話)。
Chromeはなぜ、他のモダンブラウザよろしく「リーダー」モードを備えていないのか? 現時点では実装していなくとも、将来実装する予定は無いのだろうか? というのが気になって、軽くググってみたのですけど、Android版では今年3月にリリースされたChrome 65で実装されていた、との言及がGoogle Chrome finally kind of includes a Reading Mode but only on Android - Ctrl blogにありました。ちなみにこの記事の著者は、広告の掲載を生業とするGoogleにとって「リーダー」モードは意に沿わない、というようなことを主張されていますね。
デスクトップ版では全く実装されていなのかと思いきや、そうでも無いというのをHow to enable Reader Mode in Chrome for Windows - CNETで知りました。これは2015年の記事なので、結構昔からWindows版では隠し機能的に実装されていたことになります。Mac版はというと、よくわからない......Just Read - Chrome ウェブストアのような拡張を入れないことには、今現在も実現できないのかも。教えて偉いひと。話をkzakzaの記事に戻して、
閲覧環境を柔軟に変更できる機能は、OSでもなく、支援技術でもなく、そして、ウェブサイト側でもなく、本当はウェブブラウザ側で実装する必要があるのではないかと感じています
とのくだり、kzakzaさんは優先順位を説いていらっしゃるようなのですが、そこは自分は異なる意見を持っています。ユーザーニーズに寄り添うための機能は、コンテンツの側とそれを表示する側の両方に必要だし(表示がコンテンツそのものからある程度分離されていないと「リーダー」モードだってうまく機能しないはず)、両方が相応の機能を備えてはじめてユーザーニーズを満たし得ると思います。そして表示する側に位置付けられるブラウザ(というかUA)、支援技術、OSはそれぞれに異なるレイヤーにあって、異なる価値なり機能提供が可能であるからして、やはりそれら全てがいい塩梅に連携・協調してこそ......と思います。
もっと言ってしまえば、ユーザーの側にだって相応の(「リーダー」モードを使いこなすための)学習コストは求められるわけで、つまりはユーザー体験に関わるそれぞれがそれぞれの立場、側面からアクセシビリティの最大化に貢献する必要がある......ということを、常々考えたり感じたりしています。