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「悲しみ」とのつき合い方

順番が前後するけど、『なくしたものとつながる生き方』より先にグリーフケアについて読んだのが『「悲しみ」とのつき合い方: 〜大切な人が亡くなった時に読む本〜』。100円という安さに惹かれたのと、その割に評価が低くなかったので(時系列的にみて組織票では無いと思う、多分)。文章量は価格相応だったんですけど、にもかかわらず誤記を3箇所みつけたあたり、編集入ってないのかなぁ。

グリーフ【grief】とは、死別による悲嘆や深い悲しみを意味する英語

ふむふむ。で、本書ではグリーフケアではなくグリーフワークという言葉を使っていて、その意味するところは

喪失という現実に向き合い、あなたの思いを素直に語り、亡くしたものに対する執着や現実生活への対処行動を繰り返しながら、大切な人との関係を見直し適応状態に近づけていく過程のこと

とのこと。続けて人それぞれに必要な時間があり、人それぞれのペースがあるともありました。上記の過程は急ぐべき類のものでもないし、むしろ急ぐことが逆効果にもなりかねないとも思っていたので、然もありなん。とにかくグリーフワークで大事なのは、誰か・何かを忘れるのでなしに、「見直す」という行為かなと。

本書のあとで『なくしたものとつながる生き方』を読んだことにより確信したけれど、生死を問わず(物理的に会えるか否かにかかわらず)、人は常に関係性の中を生き続けるのだろうと。だからこそ、死は関係性の喪失ではなくその見直し、関係性の再構築として捉えるべきだし、その方がまだ救いがある。その点は本書の第6章のタイトル、忘れるのではなく新たな関係を紡ぐからも感じ取れます。

他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる......とは昔からよく聞かれますが(カナダの精神科医、Eric Berne氏の言葉らしい)。それを改めて肝に銘じつつ、この先の人生でもたびたび必要になるであろうグリーフワークに取り組んでいければと。

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