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覚え書き

Re: すべての商用サイトは8341に対応すべき?

良くも悪くも2chぽさのあるWeb制作者専用のQ&Aサイト、W3Qですべての商用サイトは8341に対応すべき?という質問を見かけました。ここで言う8341というのは、Web制作という文脈からJISの規格、『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ』(JIS X 8341-3)を指していると考えて良いでしょう。あとで時間ができたらマジレスしようと思っていたのですが、既に元同僚の方がマジレスしていて、良い意味で出る幕が無かったという。

とはいえ、質問者の方がなぜこのような問いを立てたのかというのは結構、興味深いです。なんとなく察するのは、質問者は商用サイトの運営に関わっており、上司なり経営層からJIS X 8341-3に対応することを比較的最近になって求められたのではないかと。また合理的な範囲というフレーズからは、その上司なり経営層がいわゆる障害者差別解消法を根拠の一つとしてJIS X 8341-3対応を求め始めたように思われます。そしてその判断に至る経緯として、障害当事者からのクレームなりコメントがあったことが、そのうち「御社のサイトは障がい者を差別している」とか流行ったりしてというフレーズから推測されます。全部、僕の妄想ですけど。

妄想をもとにあれこれ書いても意味ないのですが、なんでウェブデザインがここまで厳格化されているのかという一種のぼやきからは、単に質問者の方がまだJIS X 8341-3やWebアクセシビリティについてお詳しくないのだろうと感じます。「対応」と一言で言ってもピンキリで、その内容はさまざまに考えられます。確かに、JIS X 8341-3に基づいてWebのアクセシビリティ対応を進めるとなると、大雑把には

  1. ウェブアクセシビリティ方針を策定する(理想的には策定したのち公開する)
  2. 定めたウェブアクセシビリティ方針に従うようWebコンテンツを設計、制作・開発する
  3. 制作・開発したWebコンテンツがウェブアクセシビリティ方針に従っているか確認する

という手順を踏むことになりますが、個々の手順の中身はある程度、柔軟に(それこそ無理なく実現できるよう、合理的な範囲に収まるよう)コントロールできると自分は理解しています。公的機関の場合ですと、みんなの公共サイト運用ガイドラインが事細かに手順や目標とする適合レベル&達成度を定めており、厳格化されているイメージも無くはないですが、商用サイトなら極論どうにでもなる(下げようと思えばいくらでもハードルを下げられる)というのが自分の認識です......是非はさておき。よほどJISにこだわりがあるならともかく、そうでないなら、何もJIS X 8341-3に基づかなくたって良いですよね。手段が何であれ、コンテンツをよりアクセシブルに、一人でも多くのユーザーがそのコンテンツを利用できるようにすることが重要なのですから。

そういったところを質問者の方には知っていただいたうえで、是非できることから前向きに、Webアクセシビリティに取り組んでいただけると嬉しいな、とアクセシビリティおじさんは思いました。

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