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Fw: エントロピーの先に生命が見る夢と、世界と時間の美しさと、挑戦

エントロピーの先に生命が見る夢と、世界と時間の美しさと、挑戦 - 高橋祥子 - Mediumという記事を読んで、面白い考え方だなぁと思いましたし、その内容に一部共感しました。記事冒頭には以下のくだりがあります:

一瞬安定しても、必ずすぐに変化してしまいます。変化することだけが変わらないのはなぜか。

それは宇宙の大原則に帰結するのだと考えます。系において、エントロピー増大の法則(熱力学第二の法則)が宇宙の大原則だからです。

エントロピー、という単語こそ持ち出さなかったけれど、これは昨年末に自分が多様性と経済合理性のあいだ

あらゆる分野・領域において、自然に抗うようなことを意図的に働かない限り、基本的に物事は分化し多様性を増し続ける。自分にとって、あたかもその種の不可逆変化が宇宙の真理であるかのように思えている節があるのですけど(ちょうど熱力学第二法則のように)、今の世の中、その分化という大きな流れのあちらこちらで、多様性と経済合理性がせめぎ合っているように思える

と書いていたのと、概ね一致します。ただ高橋氏の場合、「宇宙の大原則」がもたらすのは「変化」と書かれているのですけど、自分はもう少し狭く「分化」と捉えています。過去に松井孝典氏の著書から受けた影響が多分にあるものの、物事は放っておけば分化していくものだ、というのは実感としてありますので。そして人が人として生きながらえる行為は、この分化(ひいては宇宙の大原則)に少なからず抗う側面がある、とも捉えていたのですけど、高橋氏の文章で

動的平衡とは、常にエントロピーが増大する世界において、動きながら、常に変化しながら平衡をとるという共通の法則です。

これは会社経営も個人の人生も生命にも当てはまると考えていて、常に周囲の環境が変化することを前提とした上で、変化に対してゆらぎを持って柔軟にエントロピーの低減にエネルギーを使っていくのが重要です。

とあるのは、先に書いた「抗う側面」のイメージに近い、と思いました。分化にしろ多様化にしろ、そういった変化を常に大前提として生きていくべしというか、変化に対応できるだけのしなやかさを備えずして今日を生き抜くことは難しいというか。で、そのしなやかさの実体、根源とは何かというと、高橋氏が書かれているところの「意思」ではないかなぁ、と思ったのです。

何もしないとエントロピーが増大して無秩序になるので、当然揺らいでいるだけで何も意識しないで何もしないとエントロピー増大の宇宙法則に流されて、平衡をとることはできません。

しかも、エントロピー増大は無限(または無限に近い)ですが、それを変えるエネルギーは人でも企業でも国でも、有限な資源です。

では何が重要であり、どうすればよいかというと、意志です。

なるほど、自分が重要視してきたつもりのしなやかさとは、すなわち意思をもって動的平衡を目指す試みだったわけですね。そう解釈することで、おぼろげながら熱力学第二の法則でこの世界を捉えようとしてきた長年の思考が、よりクリアになった気がします。貴重な示唆をくださった高橋氏に感謝。

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