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HTML5 Conference 2017

東京電機大学 千住キャンパスで催された、HTML5 Conference 2017に行って来ました。といっても午後の4セッションだけの参加ですが、それはそれで集中してお話を聞けたし、楽しかったです。あと、今年は行き帰りともに都バスを利用したんですけど、自宅からは電車で往復するよりラクだったかも(今日のように天気さえ良ければ)。

Webと出版が融合する新しい標準 Web Publications〈ウェブ出版物〉ができることで、Webと本の未来はどうなる?

いかんせん登壇者が多かったのと、あまり下打合せができていなかったように思われた進行のおかげで若干、期待はずれだったような。WebとEPUBのいいとこ取り?を目指すWeb Publication(WP)について、各人が思うところを自由に述べていたのですが、書籍とWebそれぞれからどうシナジーを創れるかが重要ですね。

途中、安藤さんがコンテンツはUIが規定するみたいなことを仰っていて、紙の書籍はそのあたりを完全に出版側でコントロールできるけど、Webだとそうはいかない......しかし、そのコントローラビリティがユーザー/UA側に「かなり」委ねられているからこそWebはアクセシブルなのであって以下略。あとは、電子書籍ではページというわかりやすいランドマークが無くなることを伊藤氏が指摘されていたけど、Web AnnotationがWPで活躍の場が広がったりするかしら。スライドは以下:

AMPで加速するモバイルウェブアプリケーション

講演タイトルにこそ「モバイルウェブアプリケーション」とあったけれど、あまりそれっぽいPWAMPみたいな話は少なめで、AMPとは何かっていう紹介的な内容が中心だったような。冒頭の会場アンケートでは、AMPを知ってはいるけどまだ書いたことはないという人が大半だったっぽいので、それも仕方ないですけど。

なるほどと思ったのが、日本国内だけを見ていてもAMP誕生の経緯は理解しがたいという指摘。欧州はひどい広告が多くAd Blockerの導入率が高いとか、モバイルしかインターネットへのアクセス手段のない国・地域の人々がThe Next Billionなんだよねとか。あとは、document.writeを使ってるお行儀の悪い広告ベンダーが絶滅していないという指摘も。

ほか気になったお話としては、AMPがOSSなのは大きな特長であること(時期を同じくして存在した同様の仕組みはプロプライエタリだった)、CDNまでをも含めたフレームワークというのはあまり他にない......と同時に、AMPはWeb Componentsを利用した最も普及したフレームワークでもあること、AMPがオープンなWebの発展を阻害しているのでは?云々の指摘に関し、今はGoogleとCloudFlareがCDNを提供しているというだけで仕組み自体はあくまでオープンという反論。

スライドは後で公開されるそうですが、HTML5 conference 2017 room C 14:20-15:00 · GitHubに登壇者の方のメモ書きがあります。

多様なユーザーニーズに応えるフロントエンドデザインパターン〜書籍「インクルーシブ HTML + CSS & JavaScript」より

BAの太田さん&伊原さんコンビによる、11月に発売予定の書籍『インクルーシブHTML+CSS & JavaScript 多様なユーザーニーズに応えるフロントエンドデザインパターン』の一部内容紹介的セッション。太田さんがめちゃくちゃ朗らかに話しつつ、途中途中で伊原さんが合いの手を挟むというスタイルが最後まで貫かれるのかと思いきや、プロトタイピングの話ではお二人の関係が逆になるという展開。

スライドはあらかじめHTML5 Conference 2017:多様なユーザーニーズに応えるフロントエンドデザインパターン 〜書籍「インクルーシブ HTML + CSS & JavaScript」より - Google スライドで公開されてたんですが、まぁ時間内に収まらなかったですね......規定の開始時刻より5分早く始まったのにもかかわらずw まぁでも内容はとても充実していたし、書籍の発売が待ち遠しいです。なんでも書籍の5分の1は、太田さんの訳注だとかwww むしろ太田さんの訳注を読むために買いましょう的な。

ちな途中で出て来たますPさんの「Use button, not div Tシャツ」Tシャツはますぴー ( masuP9 ) の【Use button, not div】Tシャツ ∞ SUZURI(スズリ)で買えます。

テクニックではなく、今、本気で取り組むべきWebパフォーマンス

〆に聞いたのが、竹洞さんの講演(スライドはテクニックではなく、今、本気で取り組むべきWebパフォーマンス // Speaker Deck)。いやー面白かった!!!やっぱり竹洞さんの話しっぷりは、とてもアツくていいですね。主なテーマとしては、UXの重要性を認識すらしていない経営層やマネジメント層の無理解にエンジニアはどう立ち向かうべきか、みたいなお話。あとは、高速化とはすなわち計算量を減らすこと、と言い切っていたのが刺さりましたね。

Webパフォーマンス計測市場の大きさや成長率には驚かされました。正確な計測無くして品質管理なし......製造業では当たり前とされるこの事実、今後ますますWebの世界でも必要となるのは間違い無いと思いますし、そのプロセスを通じ作り手の側で淘汰が進みそうな気もします。Webサイトの三大品質とされたパフォーマンス、セキュリティ、アクセシビリティ、これらの品質管理を徹底していかなければなぁと。

実際は技術の問題ではなくて、人の問題だという話もすごくよくわかるお話でした。管理しきれないルール無視の人々、というのはガイドラインの策定・運用というお仕事でも直面することがありますから。インハウスの方は後ろから刺されないよう注意、というのもちょっと生々しく感じたけれどあり得る話で、激しく納得。あとは、5Gの普及が楽しみ。果たして、3年後にはPWAやAMPは不要となるかどうか? 個人的にはPWAは生き残っていくと思いますけど、AMPはどうでしょうね!!

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