有名中学に合格した子の親がやっていること
著
『有名中学に合格した子の親がやっていること』という本を読みました。
有名中学の入試問題には、学校と自宅と塾を行き来して子どもらしい生活を送っていない"ガリ勉"を排除するような要素が、明らかに意図的に盛り込まれているのです。
とあって、その証左としての例示が本書には多く載っているのですけど、出題者側に対して裏取りしたうえでの記述というわけではなく、あくまで著者の推測を書き連ねているように思えたのが、すごく微妙な本でした。たとえば、2013年の麻布中学の理科の問題で
問7 右図は、99年後に誕生する予定のネコ型ロボット「ドラえもん」です。この「ドラえもん」が優れた技術で作られていても、生物として認められることはありません。それはなぜですか。理由を答えなさい。
これ、結構有名な出題だと思っていて、自分も本書を読む以前から知っていたのですけど、この問題から
「塾でドラえもんについて教えてもらえなかったから対応できない子は、入学をご遠慮ください。ドラえもんを当たり前のように知っている、ごく普通の生活感覚を持った子に入学してほしいのです」
などという出題者側のメッセージが込められている、とされるのは「???」ってなります。まぁそういう意図がまったく無い訳ではないにせよ、概ねどの例示についても単なる知識偏重主義からの脱却ぐらいしか自分は感じ取れなかったです。まぁその、知識偏重主義の犠牲者を著者は「ガリ勉」と称しているのかもしれませんが。それと、
お父さんが不倫をしていて、その事実を知ったお母さんがやりきれない気持ちを子どもの受験にぶつける——実は結構あるケースなのですが、こんな夫婦関係が子どもの心理状態を著しく不安定にさせます。
......実は結構あるケース
って本当でしょうか。どうも近年、芸能人や著名人、政治家の不倫報道が過熱気味でうんざりしてるんですけど、世の中そんなに不倫って多いんですかね。おそろしい。