@kazuhito
Kazuhito Kidachi's Personal Web Site Since 2000

Re: デザインガイドラインの存続可能モデル

ソシオメディアの上野さんがお書きになったデザインガイドラインの存続可能モデルは、「Webサイトの」デザインガイドライン(ないしその亜種)に社内で比較的多く携わってきた(それをテーマにセミナーを開催したこともある)自分にとって大変興味深く、またありがたく拝読しました。特に「ガイドライン運用時の課題」に挙げられている項目の中で

ガイドラインの保守と運用はできるだけ特権的な部門や役職者が担当する(組織内で部門横断的にガイドラインを啓蒙および指導できる立場)

これこれ!これが結構、難しかったりするのですね。規模の大きな組織になればなるほど、実はそういう特権的な部門や役職者が存在せず、たとえ表向きにはそう映らなくとも、実際にはコンテンツごと・カテゴリごとに担当部署が分かれいるだけに近かったりするという。話がさらに難しくなるのは、その縦割り構造ゆえお財布も分割されているものだから、サイト全体のガバナンスが効かせにくいという......。

ヴァイアブル・システム・モデル(存続可能システムのモデル)とは、生物の体や企業などの組織が環境の変化に適応して存続するために自律的に自己調整する内部機構をモデル化したものです。

Viable system model、完全に初耳でした。うーむ勉強が足らない。ただこれ、実現するとなるとますます、前述の特権的な部門や役職者の存在が大前提になりそう。実際、後段で

この存続可能モデルを実行するために、組織には、製品横断的なデザイン意思決定を担う責任者や、部門間でのデザイン共有を促す運用チームが必要になります。

とありますw また、ガイドラインは守るために作られますが、絶対に破ってはいけないものではないとの指摘はとても賛同できました。時間軸で多少前後しながらも、守破離の「破」「離」すらうまく「守」に取り込んでいくっていうか。「破」「離」の温度感、程度次第というのはあるにせよ。ただそこには、既にガイドラインに定義されたルールをステークホルダーに守っていただくうえでの飴と鞭の使い分けが超絶難しいという、別の課題があったり無かったり。

現在地:ホーム > 覚え書き > 月別アーカイブ > 2017年9月 > Re: デザインガイドラインの存続可能モデル
Google カスタム検索を利用しています