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Re: これからのスマホ対応。アダプティブデザイン、レスポンシブWebデザイン、動的配信

これからのスマホ対応。アダプティブデザイン、レスポンシブWebデザイン、動的配信という記事を読んでの個人的な感想。同記事では、スマホ対応策についてアダプティブデザイン、レスポンシブWebデザイン、動的配信の3つが現在の主流として論じていますが、そもそもアダプティブデザインが現在の主流なのかという点を疑問に感じました。

アダプティブデザインについて、記事中ではJavaScript などを利用して、クライアントサイド(表示側、ブラウザ)で最適化したページを表示する方法と定義されています。JSを用いデバイス毎にコンテンツを制御するケースは比較的多くありますが、記事で紹介されている事例のようにページ中のコンテツの多くを出し分けるようなケースは、僕個人の経験の範囲では稀です。SEO目線にはなりますが、しばらく前からGoogleではモバイル対応について

の3つに大別していることからも(Mobile SEO Overview  |  Search  |  Google Developers参照)、アダプティブデザインという手法は、そこまでメジャーではないのではないか? と思いました。もっとも、今はメジャーではないからこそ、記事の末尾においてアダプティブデザインという概念がもっと広く知られるようになることが大切と結んでいるのかもしれませんが......だとするとますます、記事冒頭にある現在の主流という紹介の仕方に矛盾を感じます。また、

レスポンシブWebデザインは「スクリーンに適合させること」を目指していて、アダプティブデザインは「ユーザーに適合させること」がゴール

という大賀氏の発言には違和感を覚えました。確かに、レスポンシブWebデザインは見た目上の「帳尻合わせ」という印象がありますし、JSによるDOM操作を前提とするぶん、アダプティブデザインの方が何かと自由度が高く、故にユーザーニーズに応えやすいというのはあると思います。しかし、アダプティブデザインとてユーザーの使っているデバイスに適合させやすいだけであって、意地悪な言い方をすればスクリーン適合を実現するレスポンシブWebデザインと五十歩百歩ではないでしょうか? こと画像に関して言えば、アダプティブなつくりにせずとも、srcset属性/picture要素があるわけですし(個々の画像の出し分けが、運用コストに見合うかはさておき)。

この記事、本当のところはわかりませんけど、先述の大賀氏が株式会社ドーモのCTOでいらっしゃることからして、同社の記事広告という印象が否めません。その点は、記事冒頭に出てくる「スマホ対応の比較」の表から感じ取れますし(「設計開発の進めやすさ」や「初期コスト」「表示スピードの改善」など、一概には論じにくい項目を比較しているにも関わらず、3つの手法の中でアダプティブデザインが最も優れているとされている)、記事末尾の「各方法のメリット&デメリット」において、Mobifyというドーモ社が提供しているサービスの固有名詞を出してアダプティブデザインを説明している点からも、感じ取れます。結論が妙にアダプティブデザインに寄っている、といいますか。

誤解のないよう書き添えますが、自分はMobifyのようなソリューション(ていうかAdaptive.js?)、記事でいうところのアダプティブデザインを否定しているわけではなく、そのメリットは理解しているつもりです。一方で、記事で対談されている御三方が結論づけているほど、それが他のスマホ対応策より優れているとは考えていませんし、中津川氏の発言にあるレスポンシブWebデザインからアダプティブデザインに進化するというのが今後の来るべき変化とも考えていません。結局のところ、どの手法を採用するかは、平凡ですがビジネスニーズとユーザーニーズに加え、個々の手法の強み・弱みをしっかり勘案したうえで決定すべき、に尽きます。

[ 2017-09-11 追記 ] はてなブックマークで、アダプティブデザインは「ユーザーの使っているデバイスに適合させやすいだけ」というモノではなく、IDや流入情報を使ってユーザーのニーズに適合した情報を出すデザインだと認識している。×対デバイス ○対ニーズ というコメントをいただきました。広義のアダプティブデザインとしては、指摘の通りだと思います。ただ、件の記事で言われているのはスマホ対応施策としての狭義のアダプティブデザイン、もっと言えばAdaptive.jsが実現する範囲でのアダプティブデザインと自分は解釈したので、それを「ユーザーの使っているデバイスに適合させやすいだけ」と評しました。

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