完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか
著
少し前にエンジニアは業務時間外でも勉強するべきなのか、そして勉強時間とれない育児中のエンジニアはどうすれば良いのかという記事がはてなブックマーク方面で話題になっていた、株式会社アクシアの米村歩氏の著書、『完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか』を読了。Kindle価格が示唆している通り、それほど文字量は多く無いので、さらっと読めます。全く経歴を存じ上げなかったので意外に思ったのですが、米村氏自身、かつてはブラック企業と呼ばれるような環境で、社畜と呼ばれるような存在だったようです:
「日々の激務をこなしながらも、時間外にはスキルアップのための勉強をしてほしい」この姿勢こそ、私が最初の会社で培ったスーパー社畜魂に他ならなかったのです。
そして残業ゼロを実現したその施策は、いたってシンプル:
とにかく帰らせる。え?それだけ?と拍子抜けに思った方がほとんどでしょう。しかし私は、この「帰らせる」ということを、社員が自主的に行えるようになるまで徹底してやり抜いたのです。
いわゆるケツカッチン効果というか、締め切り効果でもって生産性を上げた、ということかな。それで万が一溢れてしまった(ないし、緊急対応に類する)業務については
役員には残業という概念がないので、我々だけは残業します。みんなが就業時間内に終えられなかった仕事は役員で全て引き受けるから。
ということらしい。他にも仕事の見える化など、施策で参考になるところは少なからずあれど、会社それぞれに規模も経緯も違うなかで、おいそれと真似できるものは多くないかもなぁ......という印象。ただ締め切り効果の効能は確かにあると思うし、あとはそれをどれぐらいの塩梅で、どう適用していくかという話でしかない、とも思いました。なお、一箇所誤記と思しき箇所を発見。一度休学し、大学院に入り直すと言い出す者まで現れました
というフレーズが第2章にあるのですけど、休学ではなく休職、ですねおそらく。