「いい会社」のつくり方
著
『「いい会社」のつくり方 人と社会を大切にする経営 10の方法』を読んでの覚え書き。既になんで買ったか記憶にない......カスタマーレビューで比較的高評価だったから(と言ってもレビュー数は少ない)、かもしれない。直球すぎるタイトルに惹かれたから、だったかもしれない。けれど結論から言ってしまうと、あまりしっくり来ない内容でした。おそらく、著者が審査に携わっている「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」なる賞のマーケティング手段として、本書を認識してしまったせいだと思います。その基準は第2章で明記されており、
- 社員とその家族を大切にしているか
- 外注先・仕入先を大切にしているか
- 顧客を大切にしているか
- 社会貢献をしているか
- 企業永続を考えているか
いずれも大事だと思うし、納得のいく基準ではあるけれど......なんだろう、全ての記述は件の表彰なり、それを催している「人を大切にする経営学会」なる組織のマーケティング、などという色眼鏡でいったん見はじめたら、そこから脱することができなくなってしまい、そのぶん共感しにくくなってしまったという。とはいえ刺さったフレーズももちろんあって、いくつか引用してみます:
利益は社会の通信簿であると考えれば、赤字会社は社会に価値あるものを提供していないと考えるべき
余裕ができたら社会貢献をするのではなく、社会貢献することで会社も社員も成長していける
「覚える」ことは可逆的(元に戻る)だが、「わかる」は非可逆的(元に戻らない)
非価格競争ができるビジネスの仕組みをつくることは、「いい会社」であるための前提
聞くよりも見ること、見るよりも考えること、考えるより行動すること、行動を継続して成果を出すこと
当たり前のことを当たり前にやるのではなく、当たり前のことを人には真似できないほど一生懸命やる
最後に挙げた、当たり前のことを人には真似できないほど一生懸命やる、これは確か別の誰かの本でも目にした気がします。平々凡々な自分が人並みに何かしら成果を上げるにはおそらく、これまでも・これからもそれしか方法はない。浪人時代、かの山本義隆氏の著書『物理入門』を何度も最初から読み直したのを思い出します。おかげで本はボロボロになったけれど、高校のテストで赤点を取っていた頃と比べれば断然物理学の面白さを感じ取れた、大げさに言って物理学の本質に近づけた気がした、その成功体験があるからこそ以下略。頑張らなくては。