Re: 「Web Componentsが来る!CSS設計はどうなる?」―CSSのエキスパートに聞いてみた!
著
アクセシビリティ担当でありながら、いまだかつて僕自身は1本しか記事を投稿したことがないHTML5Experts.jpの記事、「Web Componentsが来る!CSS設計はどうなる?」―CSSのエキスパートに聞いてみた!を興味深く読ませていただきました。ああやっぱりそうなのね、と思ったのが高津戸さんの発言:
お客様からのニーズに細かく対応していくとなると、CSSフレームワークとかは邪魔になってしまうことが多い。
殊更に忌避してきたわけでは無いけれど、僕自身はCSSフレームワークを使った案件を担当したことがありません。しかし高津戸さんと同じ受託のお仕事が中心
という立場・視点から、多分そうだろうなという感覚は持っていました。顧客はレディ・メイドではなくオーダーメイドなフロントエンドを必要としているからこそ、制作会社にそれを外注している......という理解もしています。運用・保守に関わる動機なり背景も、それはそれでありますが。
ちなみにレディ・メイド/オーダーメイドという言葉は、自分が好んで社内勉強会で使っている比喩。BootstrapにしろFoundationにしろ、出来合いのフレームワークをそのまま使ってサイトを作るのは、言わば大量生産品のレディ・メイドなスーツを買って着るようなもの(決してそれが良く無いとかそういうことではなく)。一方、そのサイトに固有のフレームワークを作りコンテンツを実装していくのは、生地から何から細かく指定したり、ちゃんと採寸したりして仕立てたオーダーメイドのスーツを着こなすのに近い印象。そして編集後記の中で、
今回の主題である「Web Components」は、まだまだこれからの技術なのは間違いありませんが、一方現場ではとっくにコンポーネント化は必要とされ、実践もされています。
と白石さんがお書きになっているのは、まさにその通り。英語圏で目にするDesign SystemやAtomic Designといった考え方なども主張自体に目新しさはなく、基本的にはページ毎のデザインを「卒業」し、サイト内にあるモジュール/コンポーネント単位での再利用性を最大化するべくCSSを使うようになって以来、フロントエンドの担い手なら誰もが少なからず取り組んできたことではあるのですよね。故に、とっくにコンポーネント化は必要とされ、実践もされて
いるのは間違い無かろうと。