CSUN Conference 2017 3日目
著
米国時間で3月3日、CSUN Conference 2017 3日目にして最終日の覚え書き(2日目の続き)。この日は前を通るたびに行列が気になっていた、Richard Walker's Pancake Houseにほぼ開店と同時に入店。アップルパンケーキが名物だというので注文したところ、 20分ほど待たされた後に恐ろしい大きさの物体が目の前に到着。必死の思いで格闘したものの食べきれず、少し残してしまいました......この日に受講したセッションと、ごく手短な雑感:
- The WAI to Web Accessibility: Education & Outreach Update 2017
- ほとんど実質的な活動はできていない(時差の関係で毎週の会議の参加も諦めた)ものの、Shawnの図らいで一応メンバーに残させてもらっている、EOWGのメンバーによるセッション。改めて膨大な量のリソースと、それゆえにWAIのサイトが分かりにくくなっている現状を再認識(サイトについてはリニューアル作業が進行中)。やっぱりHow to Meet WCAG 2.0は日本語化したいなぁ。
- ARIA prerequisites: What You Need to Know Before Implementing ARIA
- WebAIMの中の人による講演。WAI-ARIAってちゃんと使わないと、問題を解決するどころか、新たな問題を引き起こしてしまう......みたいなお話からスタート。role="menu"やaria-labelはよく誤用されているらしい。ダメなコードサンプルをコピペして使い回された結果、ダメなコードが蔓延してしまうのは万国共通か。ARIA Design Patternを使えば安全だよってことを強調されていました。
- Accessibility Wins and Challenges of Responsive Design with Solutions
- WCAG Theme SongでおなじみDavidも登壇。RWDにとってのチャレンジと利点を総括したセッション。中にはそれRWDに特化した話じゃないよねってところもあって微妙だったけれど。表についての話はやはり盛り上がる、というか盛んに聴衆とのやりとりが発生。みんな悩んでるんだなぁという印象。
- eBay's Open Source Accessibility
- 午前中はあまり時差ボケを感じることはなかったのに、なぜかこの日はこの時間帯から壮絶な眠気が訪れて、なかなか集中して聞けず。まぁ、日本に帰ってからでもじっくりIntroduction · eBay MIND PatternsとかeBay MIND Patterns、OATMEALに目を通すとします。コミュニケーションにおいて言語を共通化する、語彙を揃えることの重要性についての言及が印象に残りました。
- ACT Now: Accessibility Conformance Testing for WCAG
- ACT TFによるセッション。活動の概要が共有されたのみで、ACTフレームワークやACTルールリポジトリの詳細については特に語られなかったから、別途確認する必要あり。お付き合いのあるDeque Systemsの方もこの活動にしっかり参加されているのは心強い。IBMも参加しているようだけど、miCheckerとかにいずれ反映されたりするのかしら。10月にD.C.でイベントがあるらしいので気にかけておくのと、質疑の中でWCAG 2.1に対してどうよって突っ込みがあって、そこは一応キャッチアップしていくらしい。
- WCAG 2.1--A New Version of Accessibility Guidelines
- 今回のCSUNではとにかくWCAG関連のセッションを多く受講していて、これもタイトル通りその一つ。2.1勧告の後で何が起こるのか?という話の中で、あくまで可能性のレベルだけど、必要に応じ2.2を出すかもしれないとのこと。あと2.1の草案では、Status of documentにある5つの問いに注目して欲しいってJudyが言っていたので、要チェックです。
- Success Criteria Dependencies & Prioritization: Implications & Use
- 手短にまとめるなら、アジャイルなプロセスに適合しやすいようにWCAG 2.0を再構成するとこうなるんじゃないの? という提案。FaRにしろSCPにしろ、正直ピンと来ませんでした。単に「ぼくのかんがえたさいきょうのWCAG」という感じしかしない......確かに現状のWCAG、達成基準の粒度?に若干のばらつきは感じはするけれど。
- What's Stopping Us All from Making Accessible Services?
- 英国Government Digital Serviceに携わっている方の苦労話。話し言葉がめっちゃイギリス英語。外からはいい感じに思えても、やっぱり内では相当なご苦労がおありだったようで。何事も地道な基盤整備、コミュニティ運営、普及啓蒙、情報発信が欠かせませんね。それでも印象としては、他の国・地域の相当先を行っている気がするんです。日本で同様の取り組みがあるかっていうと、多分無いんじゃないかと思うし......。
今年のCSUNのセッション受講をすべて終えた後、会場のManchester Grand Hyatt近くで使うかどうかわからない動画の撮影をしてから、植木ご夫妻&コンセントのお二人と合流。昨年は風邪で倒れて行けなかったTAKAでお疲れ様でした会、熱燗飲みすぎ&疲れから途中気絶してしまいました。Half Door Brewing Companyで二次会をして、日付が変わったぐらいにThe Sofia Hotelに戻りーの。写真はSan Diego 2017 | Flickrにまとめています。