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第10回宇宙ユニットシンポジウム 2日目

2月12日の覚え書き。京都大学百周年記念時計台記念館で催された、第10回宇宙ユニットシンポジウムの2日目に参加しました。このシンポジウム、結構昔から個人的に注目していて、例年京都まで足を運ぶか、それができない年はネット中継を見たりしてきたのですけど、10年目を迎えたというのはちょっと感慨深いです。ちなみに昨年も、つい面倒になって覚え書きし損ねていたのですが、しっかり現地参加しています。

今年の目玉は昨年、宇宙総合学研究ユニットに教授として着任された元宇宙飛行士、土井隆雄氏の登壇だったと思います。しかし、人が宇宙に行くとはどういうことなのか考えたいとか、国家的ビジョンが欠落しているとは述べていたものの、あまり深く掘り下げることなく、ご自身の推進しようとしている「有人宇宙学」の宣伝に止まって聞こえたのは残念。宣伝トーク、というと聞こえは悪いかもしれないけれど、それは午前中の他の4講演にも共通して感じられたこと。有人宇宙飛行の正当性なり経済的妥当性を、どうすれば人類全体のコンセンサスにできるのかをこそ、もっと論じて欲しかったのですが。

昼食は近場のつけ麺マン 百万遍店で麺活、そして午後は鳥人間界隈では「いな様」で知られるインターステラテクノロジズ株式会社(以下「IST社」)社長、稲川貴大氏の講演からスタート。民間宇宙開発全体のこれまでと現状を俯瞰しつつ、IST社での取り組みをコンパクトにまとめた講演は、非常に聴きやすく分かりやすかったです。目指しているのはロケットのフェラーリではなく本田スーパーカブという比喩は特に、伝わりやすかったんじゃないかなぁ。質疑応答で、お子さんがどうすればIST社に就職できるかっていう、割とガチなアレを放り込んできた時には、思わず苦笑しましたが。

でまぁ面白かったのは、最後のパネルディスカッションね。最後にしてようやく宇宙ユニットシンポジウムらしくなったというか、個人的に最も本シンポジウムに期待するトピック、つまり人間が宇宙に進出することの意義や必要性、あるいは正当性にフォーカスしたやり取りを伺うことができました。第10回宇宙ユニットシンポジウム 2日目 #usss2017 - Togetterまとめにまとめた中でも呟いてますが、有人宇宙飛行を全人類的な課題なり挑戦として扱おうとすればするほど、それが困難に思えてくる理由が、合目的性・経済合理性いずれの点においても、皆が時間軸を揃えて議論することの難しさに由来している、とハッキリ理解できたのが個人的収穫。

来年以降も宇宙ユニットシンポジウムが続くと仮定して、是非その辺り(有人宇宙飛行の是非、合目的性、経済合理性)をもっと掘り下げて議論していただきたいなぁと思いました。それができてこその京大宇宙ユニットであり、また本シンポジウムの意義であり、また土井氏の指摘された国家的ビジョンの欠落を補い得る、極めて前向きかつ有意義なアクションとなるのではないか......と。

以下は余談。前日は事務員さんと共に閻魔堂で会食、の後にBar 奥でへべれけになってから、もはや京都での定宿と化している9h nine hours 京都に宿泊。いつの間にか、ロッカーがモダンなQRコードの読み取りで開錠するものになっていたのと、館内着が以前ほど囚人服ぽくなくなっていました。翌朝は少々寝坊をしつつもイノダコーヒー本店モーニングセットを堪能、なんと前回と同じ位置の座席に通されてびっくり(旧館にある6人掛けのテーブルを独り占め)。

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