ウェブマーケティングという茶番
著
タイトルに強く惹かれて、『ウェブマーケティングという茶番』という本を読みました。
本当のウェブマーケティングとはどういうものか。ダメな事業者、ダメな担当者をいかにして見分けるか。その秘訣をこの1冊に凝縮させました。
タイトルにある一種の煽りから感じられたほどの面白さは感じられなかったものの、近しい業種・業界で働く立場として、興味深く読ませていただきました。日本のウェブマーケティング界隈の現状を糾弾している風なくだりもあって、
見た目のいい表向きとは裏腹に、実はなにもしていない、あるいは協力会社・下請け企業に丸投げしている、ひどい場合は孫請けひ孫請けの会社が実作業をしているといったことも珍しくない
広告代理店は、企画を立てるプロだと思っている人が世間には多いと思いますが、広告も制作も分かった上で、企画を立てることができる人は、ほんの一握り
といった記述には「本当にそうかな?」と感じつつ、然もありなんと思わなくもない。ただし、請負側を一方的に責めるでもなく、ウェブマーケティングで成果を出せていない場合で発注する側に非があるケースを紹介もしていて、バランスは取っている印象。
発注する相手をきちんと選ばない。ウェブやマーケティングについての基本知識がなく、持っている情報が古い。なにごとも相手任せにして、数字が伸びない原因も考えようとしない。どれもウェブマーケティングをうまく展開できないでいる企業の典型
とりわけ、結局はどうやって商品を売るかという話ですから、経営に携わっていて、事業戦略の話ができる人が出てこないと成果が出ません
という指摘はごもっとも。Webに詳しいってだけでWeb担当者は到底勤まらないし、逆にその企業のビジネスには詳しいけれどWebのことはよく知らないし学ぶつもりもない、みたいな人もWeb担当者には不向きでしょうね。社内で完結させるにしろ、一部の業務をを社外の業者に委託するにしろ、そのあたりのバランスをうまく設計できてこそ、のウェブマーケティングだよなぁと。