AccTalk in Sendai(仙台でWebアクセシビリティ勉強会)
著
小谷美紗子 弾き語りTOUR「MONSTER」仙台公演に参加してから、東京には帰らず作並温泉の岩松旅館に泊まり久々の露天風呂を満喫したのですけど、その翌日(6月11日)にはAccTalk in Sendai(仙台でWebアクセシビリティ勉強会)に参加しました。主催された鈴木さんが、もともと6月中に仙台でWenアクセシビリティ勉強会をやります
とつぶやいていたのに対し、サクッと6/11なら参加します
とお返事していたところ、本当にその日に決まってしまったという。
集まった人数はそれほど多くはなく、しかもほとんどの方とは、過去に仙台で開催された何がしかのセミナーで自分と面識があったりしました。とはいえ、東京で開催されてきたAccTalkって概ね単なる飲み会だったわけで、それと比べるとしっかり勉強会の体をなした本イベントは、結構有意義だったと思います。鈴木さんの『「誰にでも」を意識するWebアクセシビリティについて』という講演以後は基本フリートークだったのですけど、参加者と前に立った鈴木さんとの間での一問一答に近い形式での進行については、もっと参加者同士での意見交換を引き出せれば良かったかな。その場で出たトピックスを幾つか振り返りつつ、思ったことを覚え書き:
- Webアクセシビリティ、「どこまで頑張れば良いのか」問題。これについては自分もコメントしたのですが、ドキュメント志向のコンテンツとアプリケーション志向のそれでは、支援技術や実装技術の熟れ具合にしろかかるコストにしろギャップがある(なおかつそのギャップが広がりつつある)ので、なかなか一律には定義しづらいというのが正直なところ。せめてWCAG 2.0 Aレベル、とは思うものの、海外動向を見るにAAレベルは目指したい感じ。
- 顧客や代理店の意識を変えるのが難しい、と感じていらっしゃる方からの質問で、(意識を変えるための)魔法の言葉はあるのか?との問い。まぁそういう言葉があれば自分も苦労はしていないわけですが(苦笑)。ただ一つの考え方としては、やはりバズワードに絡めて語っていく、必要性を理解していただけるストーリーを組み立てるというのが有効で、それが最近では自分の場合UXだったりします(UX界隈(何処)におけるアクセシビリティの耐えられない軽さ参照)。
- アクセシビリティチェックの話。チェックリストとかチェックシートとか色々あるけれど、何をどう使ってるの? みたいな。基本的にはWCAGなり固有のガイドラインに紐付いて個別に作るものだと思いますけど、いきなり「凄いもの」をこさえても根付かせ難いし継続性が担保されない(小さく生んで大きく育てたほうが良い)ので、まぁ確実に実践できる内容で始めるのが良いのではないかと。
- 動的コンテンツで気をつけるところは? というお話。鈴木さんはフォーカス周りという話を上げていましたが、確かにキーボード操作できるかという点はWCAG 2.0レベルAの項目でもあるだけに重要。
- 学生の方から、社会に出るまでに何をやっておくべきか?というご質問。途端に、話がWebアクセシビリティの範疇に止まらなくなるのは仕方ないとは思いつつ......やっぱり、基礎を学んでおくだとか、それ以上に企画からコンテンツ制作、ビジュアルデザイン、フロントエンド設計・実装、独自ドメインの取得から、自前であれレンタルであれサーバーを用意してサイトを公開しPDCAを回す、というのを規模は問わず自力でやってみる、経験しておくというのは大事ではないかと。関連資格の取得というのも、一定の意味はあると思いますけど。
終盤、アクセシビリティチェックに使えるブックマークレットのお話になったのですが、自分も日常的には使っていないけれど幾つか試したなぁと思い出し、急遽ライトニングトークをさせていただきました。紹介したブックマークレットは、以下の3点:
この日は終了後、特に懇親会もなくお開きとなったわけですが、鈴木さん、参加者の皆さんお疲れ様でした。また機会があれば(僕の個人的な「遠征」であれ何であれタイミングが合えば)、仙台での勉強会に参加させていただきたいと思います。