SEのためのUIデザインの教科書
著
かねてよりお世話になっているソシオメディアの篠原さん、上野さんがお書きになった『SEのためのUIデザインの教科書』を読了。自分自身はSEと呼ばれる立場では無いものの、UI設計とかユーザビリティ評価といった分野で長年ご活躍されているお二人の著書ということで、内容的に気になっていたのです。しかしながら、自分の中で勝手に期待値を上げすぎてしまっていたせいか、もろもろ勉強にはなったものの、残念な点の方が目につくという結果に。
残念、というのは内容についてではなく体裁についてで、「はじめに」冒頭に本書は、2015年7月と11月にソシオメディアと日経BP社が共同で企画し開催したシステムエンジニア向けセミナーの内容を編集しまとめたもの
とあるように、お二人の過去のとあるセミナーでの講演がベースになっていることに由来します。それ自体は一向に構わないのですけど、あまりにもセミナーで使用したであろうスライドに引っ張られ過ぎているかの印象を受けたのです。
書籍として発行する以上、セミナーとは文脈的に切り離された、一冊の独立した書籍として編集されて然るべきと思うのですが、p.36に「今日お話しする」というくだりがあったり、p.38最下部の段落が冗長だったり(おそらくセミナー当日の流れの中では自然な反復だったのでしょう)、「私の会社の」「当社でも」というような表現が出てきたり(講演録としては自然ですが書籍としてはどうでしょう?)、グラフィカルな表現がなくても「図」と称して本文から切り出されていたり(おそらくスライドからページ単位で抜き出したものを「図」として扱っているのでしょう)。
......なので、あくまで講演録として認識した上で読み進めるのが、本書に関しては吉だと思いました(繰り返しますが、内容そのものは勉強になりましたし良かったと思うので)。他、本日時点で「お詫びと訂正」に載っていなかった、誤植の可能性のある点は以下の通り:
- p.34の「何が起きていたかなのですが。」のところで句点が打たれているのが文脈的に違和感。
- p.59の図2-7でNPSの参照先がp.52となっていますが、p.60では?
- p.59の図2-7に登場するサービス(WAMMI、ACSI、オピニオンラボ)に解説がないことに違和感。
- p.60で「NPSとなり(図B)。」とあるのは、間に「ます」が抜けている?
- p.66で「意見が分かるのは当然」とあるのは、間に「れ」が抜けている?
- p.71の本文中にURLの記載がありますが、http か https か分からないのは不親切な印象を受けます。
- p.96で「反映していく、、」のところ、読点が重複しています。
- p.134で「ユーザーがよく使うも項目、」の「も」は不要?
- p.164の「ウインドーを広げても。」のところで句点が打たれているのが文脈的に違和感。
- p.171の図4-41で「コンボボックスは〜」から始まるリスト項目末尾にある句点は、おそらく不要。