IA/UXプラクティス

2016年4月11日著

著者の坂本さんより、『IA/UXプラクティスモバイル情報アーキテクチャとUXデザイン』をいただいたので、ありがたく読ませていただきました。ご本人にとっては、諸事情により発売中止となってしまった『モバイルIAシンキング』のリベンジを達成したということで、喜びもひとしおだったのではないかと思います。改めて、発売おめでとうございます＆お疲れさまでした。

New book launch “IA/UX Practice”という記事の中で、坂本さんは今後求められるデザイン活動においてカスタマージャーニーの重要さとUXデザインのアプローチ（方向性）がなんとなくイメージできるかと思います。と語っていますが、まさにその通りに、少なくとも「なんとなく」は理解できたように思います。自分はUXデザインよりもUIのデザイン、設計、実装がどちらかというと専門なので、勉強になりました。

以下は気になったところや疑問点、発見した誤記などの覚え書きです。決して批判的な意図はありませんので悪しからず（自分の知識不足ゆえに理解が至っていないところも多分にありますので）。いずれまた坂本さんにお会いした時に、直接もろもろ教えていただけると有難いと思ってますので、何卒よろしくお願いいたします......。

副題に「モバイル」とありながらも、読み終えた後の印象として、期待したほどの「モバイル感」を感じなかったのは、果たして思惑通りなのか否か......気になりました。
p.13の表2で、影響範囲は大中小という表記なのに、その後に続く本文では広い・狭いという表現が使われていて、違和感。そもそも、ビジネスモデルが「メーカー」のところ、本当に影響範囲は「小」なのでしょうか。
p.16で、日経パソコンの企業サイトランキングの終了にJIS X 8341-3:2010が絡んでいるというくだり、出典を知りたいです。
p.17で、「ユーザビリティテストの誤った通念」と括られている内容ですが、どこがどう誤っているのかまで解説していただけると良かったのかなと思います（坂本さん自身の主張ではないにせよ）。
p.19の表1でユースケース図（UML）とありますが、UMLがUnified Modeling Languageのことであれば、あたかもユースケース図＝UML、と受け取られかねない表記は避けたほうが良かったのではないかと。
p.24とp.25に出てくる図5と図6が、内容的に酷似しているせいか、違いをどう咀嚼すれば良いか、分かりかねました。
p.31の図3で、簡易ペルソナの方に誤記があります（「提示で」→「定時で」）。
p.31の参考1にあるURLで、誤記があります（「:dea」→「idea」）。
p.40の冒頭、言わんとしていることはよくわかるのですが、PCを中心にした考え方からとある以上、指します。で結ぶのでなしに、変化とかシフトとかそういう言葉を使われた方が良かった気がしました。
p.52で、デバイスピクセルサイズがおよそ2倍とありますが、数字上はきっちり2倍になっているので、「およそ」と書き添えた意図が知りたいと思いました。
p.65のヒントで誤記があります（「ます」→「まず」）。
p.66の5Cの説明、二文に分かれているのはやや分かりにくいと感じました（最初の文で4つの「C」しか出てこないのに指します。と言い切られてしまっているせい？）。
p.69に誤記が2箇所あります（「一貫」→「一環」、「チャンネル」→「チャネル」）。
マトリョーシカ型と階層型の違いが、よくわかりませんでした。この辺りはもう少し具体例でもって両者の違いを掘り下げて理解する必要が（僕の場合は）ありそうです。
p.101に誤記が2箇所あります（「トグルル」→「トグル」、「リフレッシュル」→「リフレッシュ」）。
p.103で単なる「ビジュアルデザイン」ではなく「デザインシステム」をつくるという考え方が紹介されていますが、これはモバイルに限ったお話ではないと自分は理解していますので、モバイル環境に寄せた文脈でこれを解決の糸口とされている意図はもう少し詳しく知りたい、ないし議論したいと思っています。
p.113で「ウェブデザイン・スタイルガイドの作成ポイントまとめ」に誤記があります（「ブ入力」→「入力」）。
p.125の図3に誤記を見つけましたが、これは既に正誤表に掲載済みでした。
p.149の図2、上段で「ユーザー情報」の枠囲みが2個並んでいるのは、誤記の可能性が高いと思われます。
p.152に誤記がありました（「よりより」→「より良い」？）。
p.163の表3で、タスクは成功したかの後ろに疑問符がなく、その分？エラーの件数はいくつあったかの後ろに疑問符が2つ付いている点に違和感。