新エバンジェリスト養成講座
著
昨年のうちに読んだ本ですが、覚え書きしていなかった『新エバンジェリスト養成講座』について。最近、某書にて自分がアクセシビリティ・エヴァンジェリストのひとり
としてご紹介いただいたので(ありがとうございます光栄です)、思い出したように引っ張り出して線を引いたところだけ読み直した次第。
著者の西脇資哲氏は日本マイクロソフトにお勤めの方で、本書の出版はご自身にとって「副業」ならぬ「複業」らしい。複数のスキルを持ってそれを生業とする
ことをそう言うらしいのですが(造語?)、本書を読むまで「フクギョウ」と言えば「副業」しか自分の頭にはありませんでした。ともあれ、その複業をするにもプレゼンが大事、というのがイントロダクションとなっています。
いいなぁと思ったのは、プレゼンテーションとは何なのか? について触れたくだり。西脇氏曰く、プレゼンの目的は相手に伝えること
ではなく、相手を動かすこと
だという。うっかりすると伝えるだけで満足してしまいがちだけれど、もし結果として相手が動かなかったら、そのプレゼンは失敗だったということ。そこは本当に重要なポイントだなと思いました。
あとは、割と事細かなスライド(パワーポイント)の作り方にまで言及・紹介がなされているのですが、色使いに関して視覚/色覚弱者への配慮
に言及されていたのは、さすがだなと思いました。アクセシビリティの話をするとき、自分も日本人男性の5%が色覚弱者である
ことを引き合いに出したりしますから。
一点、残念に思ったこととして、本書がいかに2010年より定期的に開催しているエバンジェリスト養成講座を書籍用にまとめたもの
とはいえ、いきなり本文中でみなさん、私が19時にスタートしてから、最初に、終了時間を言ったのを覚えていますか?
などというフレーズが出てきた(p.131)のは如何なものかと。講演録のまんま、ではなく、そこはきっちり書籍向けに編集していただきたかったなと。