SpaceXの偉業
著
どれほど忙しくともこれだけは覚え書きしておかなくては!!という勢いで、タイトルだけMovable Typeに入力してあったのだけど、今更ながらSpaceXの偉業について。Elon Musk氏以下、SpaceXの人々はある意味、宇宙開発競争をこれまでと全く違ったものに塗り替えてしまいました......いやとうの昔に塗り替えていたという可能性はあるにせよ、打上げロケットの主要部分たる第一段の回収技術を実証したことで、打上げ費用の削減競争を新たな次元へと突入させてしまった。とにかく彼らがファルコン9の第一段を無事に垂直着陸させた日は、それはもうかなり興奮しましたよ。これを偉業と呼ばずして、何と呼ぼう?
Twitterでつぶやいていたように、ロケットの第一段を無傷で回収するだなんて、子供の頃には想像すらしなかった
のです。ある意味、スペースシャトルの時代によって宇宙との往還には有翼型のほうが経済合理性があると信じ込まされていたのと同じように、いったん打ち上げたロケット(の第一段)を着陸させるだなんて、経済的にもエネルギー的にも無理があると思い込んでいました。そのコンセプトを知った当初は正直、信じられなかったもの。しかし、彼らは実現のためのPDCAサイクルを着実に回し、ついに第一段を着陸させてしまった......これは本当に凄いことです、実現に要した時間からしても。
果たして公言通り、1/10まで一回当たりの打上げ費用が下がるかは、分かりません。スペースシャトルのオービターがそうであったように、部品の多くを再利用できても、再度の打上げに臨むにはメンテナンスコストが予想以上にかさむかもしれない。けれど、第一段の再利用が確立されれば、間違いなく打上げ費用は相当下がる。そして妄想を飛躍させるなら、人が宇宙まで行く(地球を周回観光する)ためのコストも相当下がる。つまり、僕が死ぬまでに宇宙から地球を眺めることのできる可能性は、相当上がる(結局はそこが大事)。SpaceXの今後に引き続き期待をし、また応援していきたいと思います。