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Re: サイトはスマホファーストであるべきとは限らない

サイトはスマホファーストであるべきとは限らない』という記事に、「逆レスポンシブ」なる言葉が使われていました。レスポンシブWebデザイン(以下「レスポンシブ」と表記)とは、端的に言い表すなら画面幅に対し柔軟にコンテンツを表示させるテクニックであり、画面幅の長短に依らず一定の見やすさと使いやすさを提供するものです。その逆ということはつまり、柔軟さに欠けた固定幅のビジュアルデザインを指すものと推測されましたが、PCで見たらぐわーっと伸びて別メニューが出てくる「逆レスポンシブ」という説明を読む限り、著者でいらっしゃる永江氏の意図はそうではなさそうです。

レスポンシブのことを、永江氏はPC用に作られたサイトのUIをぐにゃーっと縮めただけともお書きになっていますが、レスポンシブとは元来、そういうものではないと思います。結局のところ、当該記事はレスポンシブを採用すべきか否かではなく、モバイル環境とデスクトップ環境のどちらに寄せてデザインすべきかという点を論じており、それはサイト(というかサイト固有に定義されるであろうターゲットユーザーとその利用環境)ごとに検討・判断すべきということを述べているに過ぎない、と自分は解釈しました。

同じレスポンシブでも、モバイルに寄せてデザインするケースもあれば、デスクトップに寄せてデザインするケースだってあります。寄せる、というやや曖昧な表現を使っていますが、仮にモバイルに寄せるなら、デスクトップ環境(ないしそれに近い解像度、幅の画面を備えたデバイス環境)であってもモバイル前提のUIを維持するとか(永江氏が紹介していたPass-Me!はまさにそういう設計らしい)、IE8以下をはじめとするメディクエリーに非対応の環境においてモバイル前提のUIを表示させることになります。ちなみに、モバイル環境とデスクトップ環境とでUIというかナビゲーション機能を変化させなければならないなんてことはありませんし、変化しなければレスポンシブと呼べないなんてこともありません。

......などということより、時代はデスクトップファーストでもモバイルファースト(スマホファーストを含む)でもなく、アクセシビリティファーストでもってWeb環境(ユーザー、デバイス、コンテキスト etc.)の多様化に応えるべきである、とアクセシビリティおじさん(最近ちょっと「それ多分アクティビティのことですねおじさん」)は思うのです。

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