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ページタイトルの重要性

ウェブアクセシビリティ基盤委員会作業部会2(実装)では、少し前からテストファイルの見直しに着手しているのですけど、つい先日行われた会議の場で、言われてみればなるほどなっていう議論があったので覚え書きしておきます。WCAG 2.0には、「2.4.2 ページタイトル」に以下の非常にシンプルな達成基準があります。

ウェブページには、主題又は目的を説明したタイトルがある。

HTML文書であれば、title要素を用いてページタイトルを付けましょうって話なんですけど(H25:title要素を用いて、ページタイトルを提供する|WCAG 2.0 実装方法集)、これが適合レベルAという位置付け、つまりそれだけWebアクセシビリティにとって基本的かつ重要なものとされています。議論になったのは、これが果たして今日においても昔と変わらず重要なのものかどうか? という点。

ページタイトル、とりわけ一意なページタイトルが有用とされたブラウザのブックマーク機能は、個人的に使わなくなって久しい。そしてタブにページタイトルを表示するブラウザでは、タブの横幅に起因する文字数の制約から、ページタイトルを読み取ろうと思いにくい(文字数云々で言えば、もともと長いページタイトルは後半が「表示上」省略される傾向にあったわけだけれど)。タブといえば、iPhoneなどでのMobile Safariのアレ(どれ)もタブと呼ぶらしいですが、基本的にページタイトルは表示されず、タブを切り替えるときにのみ表示されます。

ブラウザ側でのページタイトルの扱いが「表示上」ぞんざいになってきているからといって、それを参照するニーズが減ってきた証左であるとは断言しにくいのだけれど、しかしスクリーンリーダーを使い音声でWebを利用するユーザーからも、昔ほどページタイトルを重視していないという意見が(少なくとも会議の場では)聞かれ、微妙に時代の変化を感じた次第。もちろん、ページタイトルは必要だし重要ではあると思うものの、その必要性なり重要性というのは、以前ほど高くはなくなってきているように思います(それよりかは見出し要素の使い方とか文書全体のアウトライン、コンテンツの動的変化のほうが気になる)。

ちなみにSEO的にも、Googleの検索結果に表示されるタイトルとtitleタグが違うのはなぜか?という記事にあるように、必ずしもページタイトルがそのまま検索結果画面に使われるとは限らない実態があって、そういう意味でもどうなんでしょうね......と。

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