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Re: title属性の使い方から考えるコンテンツの意味と提供方法

Global Accessibility Awareness Day 2015の日に催されたAccTalk #10でご一緒した酒井さんが、title属性の使い方から考えるコンテンツの意味と提供方法というタイトルで、お話しした内容の一部を記事化していました。そのなかにある、

今となってはツールチップでしか提供されない情報をコンテンツに持たせるのはあまり好ましくないと言えます。冒頭で触れたAccTalkでこの話をしたときも木達さん(@kazuhito)はtitle属性は書いてない、とおっしゃっていました。

というくだりについて誤解の無いよう補足しますと、title属性を書くことが皆無というわけではありません。といっても、限りなく「書いていない」に近い状況で、せいぜい略語を書く際にabbr要素で書くくらい(これまでのところdfn要素は個人的にもお仕事的にも使ったことが無い)。その略語を書くときですら、完全表記はtitle属性のみならず、同一ページ中の初出時に本文で提供したほうが好ましいと思っています。理由としては、やはりtitle属性に記した内容が一般的なユーザーに伝わることが期待できないから、というのが大きいです。どれぐらい期待できないかと言えば、ウェブアクセシビリティ基盤委員会の提供するアクセシビリティ・サポーテッド(AS)情報:2014年6月版においてtitle属性を使った実装方法、具体的には

がすべからく「要注意」扱いにされているぐらい、期待できない。将来、主要なブラウザや支援技術が力強くtitle属性をサポート(謎)することで、「要注意」ではなく「達成可能」の扱いに変わる可能性はあるかもしれないけど、まぁ難しいでしょう。結局のところ、助言的であろうとなかろうと、情報はユーザーに伝わってナンボだと思いますし、であればtitle属性のような不確実な手段に頼らず、本文中にしっかり書き記したほうが良いと思うんですね。もっとも、何が助言的で何がそうでないかはコンテンツの制作者次第ですし、(ユーザーに即座に伝わらずとも)機械的な処理によって将来もたらされるかもしれない利便を期待するのも制作者次第ですから、「title属性は使うべきではない」とまで言うつもりも無いのですが......使うなら、せめてアクセシビリティ上の問題を生じないよう使っていただきたいものです。

アクセシビリティおじさんからは、以上です。

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