お茶の水女子大学理学部主催 第2回 宇宙講演会
著
お茶の水女子大学理学部主催の第2回宇宙講演会「子どもから大人まで宇宙に夢中!」に息子を連れて行ってきました。昨年の若田宇宙飛行士の打上げ見学ツアーでご一緒した菊地涼子さん、そして宇宙ライターの林公代さんが登壇されるとあっては、行かないわけにはいきますまい。終了後、御二方とはちらっとだけご挨拶させていただけましたし、寺薗さんやバイコヌールでご一緒した皆さんとも予想外にお会いできて(まさにオフ会)、とても楽しかったです。ありがとうございました。
講演1:アンデスの巨大電波望遠鏡「ALMA」
なんか盛大に自分が勘違いをしていたのですけど、阪本先生って国立天文台に「戻られた」のですね。どうも、ISASでの広報というお立場のイメージが強すぎて、今年の異動に「えっ」ってなったほうなのですけど、もともとALMAの計画には予算が付く前から関わっていらっしゃったガチの電波天文学者でいらしたのですね。お話のなかでは、参加各国の予算取りが微妙でTMTの最初のTが本当にThirtyのTになるかわからないと冗談ぽく語られていたのと、山麓施設が標高2,900mに位置しているのは3,000mを越えると特別手当を支給しないといけなくなるからだとか、気圧の関係でスパコンの放熱に苦心されているといった辺りが気になりました。
講演2:宇宙の宅急便!「こうのとり」
大学時代の先輩の前田さんと同じく、JAXAでHTVのフライトディレクターを務めていらっしゃる、麻生大氏のご講演。興味深く拝見したのが、筑波のフライトコントロールチームの座席表。運用管制班、技術支援班、訓練チームと大きく3つのエリアに区切られていて、飛んでいる以外の期間には訓練を実施(一昨日も訓練をしたそう)。実際、最初のHTVのフライトに向けては、チームに加わるうえで100回以上の訓練や英語の試験なんかが課せられたという。フライトディレクターはオーケストラの指揮者、という喩えは確かにそうでしょうねぇ。最後に宇宙探査の目的を「地球を知り、地球を守り、子供たちや孫たちへ引き継ぐこと」「地球の生き物が、地球の外でも暮らせるようにすること」の二点に総括して終わりました。
講演3:有人宇宙開発パネルディスカッション~私も宇宙へ行く時代を目指して~
講演2の麻生氏に加えて菊地さん、林さんの御三方が登壇してのセッション。VirginのSpaceShip2に関連して、かかるGの最大が行きで3.5G、帰りが6Gというのが意外でした。そんなにかかったっけ......まぁ想定される最大、だから恐れるほどでもないかもしれないけど帰りはつらいね。菊地さんが訓練上経験したのは最大8Gだったそうですが(自分と同じ体重の人が自分の上に7人乗っかるw)。そのVirginだけど、世界から700人ほどの予約者がいるうち、先般の事故以来23人のキャンセルが発生していたとは(日本国内からのキャンセルはゼロ)。これを多いとみるか少ないとみるか、は微妙なところ。ほか気になったトピックとしては、来年油井宇宙飛行士がISSにいるあいだに歌手のSarah Brightmanがツアー客として一緒になるかもしれないってのと、Bigelow AerospaceのBEAMをISSに結合させる予定があるということ。どちらもまぁ宇宙旅行ネタとしては要注目です。