宇宙のひとたび「リアル火星ごっこ」ツアー説明会&トークイベント
著
2週間あまりに渡る休暇を取得し、果たして僕が「Team NIPPON Hitotabi」に参加できるかどうか......というのはさておき、以前からThe Mars Societyの活動には興味があったし、『僕が「火星」を歩いた日』を読み実際に参加できたら楽しいだろうなぁ......という妄想を膨らませることは多々あったので、台風が接近するなか宇宙のひとたび「リアル火星ごっこ」ツアー説明会&トークイベントに参加してきました。
イベントは19時半開始予定で、自分は結構ギリギリで会場の関西酒場 らくだば 新宿御苑に着いたのですけど、既にほぼ全員が着席していた感じ。1名だけキャンセルが出たらしく、集まったのは19名だったみたい。しかし台風のことを考えれば、ちょっと驚異的な出席率。基本的には、「Team NIPPON Hitotabi」でリーダーを務める予定の村上祐資さんのお話を聞いて、それから参加者一人一人が感想や質問を順に語って行く......という構成。冒頭、ひとたびの南雲さんがご挨拶。会社は今年の4月に立ち上げたばかりだそうで、村上さんと会ったのはつい一ヶ月前なのだとか。お店のお通しに落花生が選ばれたのは、「火星」を引っ掛けた駄洒落だそう。まずは村上さんから自己紹介:
- パーフェクトな人なんていない、チームとしてパーフェクトなら問題ない。各人の持っている長所を組み合わせたチーム作りを目指したい。
- 富士山測候所の紹介。夏に一ヶ月住んでいる。
- 2008年から2010年にかけて、南極の昭和基地で越冬。
- 地球で一番古い、38億年前の地層がある場所(リーセルラルセン)の紹介。そこにあるペンギン営巣地は、5300年の歴史があるらしい。
- 夢は月面基地を作ること。そのためには命を守る家が必要、との認識から南極へ。
- 宇宙飛行士選抜に使われることで知られる閉鎖環境適応訓練設備で一週間過ごしたことも。選抜基準づくりのモルモット役w
- エベレストのベースキャンプで一ヶ月過ごし、日本の登山隊のサポートした経験もある。
- シシャパンマでは高度順応がうまくいかず、肺水腫にかかりピンクの血を吐きまくった(汗
次いで、「Team NIPPON Hitotabi」の企画についての説明:
- 日本人から構成されるTeam Nipponの2回目を申請中。
- 参加者個人ではなく、枠だけ申請するのはイレギュラーなことで、枠が取れるかは1ヶ月後に判明。日本火星協会代表の村川さん曰く、大丈夫だろうとのこと。
- 村上さんご自身は、FMARSの選考に残っている62人のうちの一人(他に日本人女性が一人残っている)。と同時に、HI-SEASの選考に残っている20人のうちの一人でもある。
- 参加できるのは村上さん含め6名、残り2ヶ月で願書を作成し、9/1までに参加メンバー全員を決めなければいけない。
- 人選はチームとしてのパフォーマンス、バランスをみて決めるが、希望者は基本、バックアップメンバーに加えたいとのこと。
- 村上さんのミッションは、他の人が参加するうえでの制約をいかに下げるかということ。これは、チームとしてのパフォーマンスを重視してのこと。
- チームとしてのミッションは、建設のバックグラウンドをもつ村上さんらしく、火星の岩で宇宙服を着てドームを作ること。
- 宇宙服を着ている状態では視野が狭いほか無線越しのコミュニケーションや働ける時間に制約がある。
- 参加すれば確実に宇宙開発の歴史に名を刻めることが魅力。
- 参加に年齢制限はない。一名分、高校生枠を作ろうと思っている。
- 二週間の参加は無理でも、近くまで行きたいという人向けのツアーを組むこともできる(交代のイベントに行ける)。
- 参加費用は 飛行機代込みで45万円くらい。学生なら5万円くらい安くなる。
続いて願書(MDRS Crew Application for 2014-2015 Field Season)の説明。記載すべき内容は
- 名前
- 住所
- ビザが取れるか
- メールアドレス
- 電場番号
- 誕生日
- 参加は個人かチームか(チームを選択)
- 参加時期(第一候補は3/14〜3/29のCrew 149 、第二候補は4/25-5/10のCrew 153 。ちなみにCrew 150もTeam Nippon枠らしい)
- 英語能力(チームにILRレベルでレベル4が2人いればいい)
- アレルギー、身体上の問題の有無
- アメリカの自動車免許の有無(あったほうがベター)
- 過去に長期隔離ミッションに参加したことがあればその詳細
- 身体の健康状態(一般的な問題がないかどうか)
- 緊急時に一番近くの病院まで2時間半かかるが、その点を承諾できるかどうか
- 閉鎖環境で仲間としてやっていけるかどうか
- 奨学金
- 自分の役割(アツくアピールする必要がある)
- スキル
- なぜ参加したいのか
- 3人の推薦状
- 研究(個人ないしチームとしての研究)
以下は、質疑応答のなかで出たなかからの覚え書き:
- 基本的に小さな村をつくることと同じであり、 生きることに関する仕事はたくさんある。きっと誰でも担える役割はある。
- 身体は結構疲れる。
- 天候のため缶詰になることもあり得る。
- メールぐらいはできるが、あまりプライベートな通信はできない。
- レファレンスは公開されているので、設備等についてある程度の予習はできる。
- 昨年のTeam Nipponでは、入居時に掃除しまくって土足厳禁にしたらしい。
- 2週間で研究成果を出せるかというと、限界はある。
今後の予定についての覚え書き:
- 8/6に願書の書き方講座のイベントを開く予定
- 9月最後の週末には富士山6合目の山小屋で一泊のチームワーク/レスキュー訓練を実施する予定
- 11月くらいには種子島&屋久島ツアーを検討中
- 日程は未定ながら、都内で昨年のTeam Nippon参加者を招いてのイベントを検討中