Live! ウェブマーケティング基礎講座
著
かつて、ブックファースト新宿店で何冊かWebマーケティングに関する本をまとめ買いしようとした際、『Webマーケティング基礎講座』もそのなかに含めていたのですが、店内の別のエリア(いったん店外に出なければならず、精算前の本を店員さんに運んでいただく必要がある)に移動してみたら同書のアップデート版の存在に気付いてしまい、もといたエリアに戻るのも面倒なのでお店の方には申し訳ないなぁと思いつつ精算時に古いほうをキャンセルして買ったのが『Live! ウェブマーケティング基礎講座』。
Webマーケティングという言葉の指し示す範囲は、捉え方次第でいくらでも広げることができるもの。広く浅く全体を俯瞰するのにいいかなと思って買ったのだけど、本書で言うWebマーケティングの範囲は、若干期待と違ったなぁと思う章の存在に後になって気付きました。具体的には「リスクマネジメント」と「インターネット技術の基礎」(※HTML5をブラウザベンダーが主体の団体「WHATWG」が策定
との微妙な記述アリ)の二つの章。企業内で、Webとあまり馴染みのなかった部署から異動してきてWebマーケティングの担当になった、みたいな人にはちょうど良い構成かもしれないけれど。
また、複数の著者が別々に書いた章の寄せ集め、な構成なのは良いとして、「です・ます」調と「だ・である」調が本書全体で統一されていなかったのが気になりました。CHAPTER 3、4、6、7、8、10は前者で、残りのCHAPTER 1、2、5、9が後者。書き手それぞれの味を残したという解釈もできるけど、個人的にはやや引っかかってしまったなぁ。また、CHAPTER 10は他の著者の方と異なって、所属組織にやや偏った書き方をされていたのも気になりました。具体的にはp.206のIMJが特に重視している考え方ですが
とか、p.216のIMJでは、「シェア」がとても重要な行為と捉えています
というくだり。他の章ではそのような書きっぷりの箇所はなく、内容は割と一般化されたうえで語られていると思うのですが......。
各CHAPTERの末尾には、ブックガイドと題して章ごとの関連書籍を紹介されており、それはそれで参考になったのですけど、CHAPTER 8「スマートフォンマーケティング」のブックガイドで『最新マーケティングの教科書』が紹介されていたのはいかがなものかと思いました。同書は、そもそもスマートフォンなりモバイルに特化した本ではないし、また最新マーケティングキーワード29で言及したように、レスポンシブWebデザインに関する明白な誤記も含まれている本だけに。