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実践インバウンド・マーケティング

Webマーケティング界隈において、しばらく前から気になっていた言葉がインバウンド・マーケティング。それがどういったものなのか、ちゃんと学んでおこうと思い立ち購入したのが『実践インバウンド・マーケティング 〜成功の鍵は戦略PR×インバウンド×CRM〜』。最近は、この言葉をタイトルに含んだ本が複数、出版されているのだけど、店頭で見比べて読みやすさ(と直感?)でこちらを選んでみました。

そもそもの定義は、p.3にあるように2006年にアメリカで創業された「HubSpot(ハブスポット)社」が提唱している、マーケティング手法のこと。しかし時が経つにつれ、さまざまな定義、理解の仕方が登場している模様。著者の一人である谷井氏は、そうした状況を歓迎しているようですが......結局のところ、

インバウンド・マーケティングとは、見込み客に有益なコンテンツをネット上で提供することで、検索結果やソーシャルメディア上で自社を「見つけられ」やすくし、自社のサイトへ来てもらいやすくする、というマーケティングコンセプトです。

という考え方自体は、決して目新しいものではないのですよね。まさに本書のタイトルにある「実践」の2文字が鍵というか、じゃあそのコンセプトをどう具体化し実現しましょうか、っていうところに昨今のフォーカスは当たっているのだと思うし、そこにこそ理解の仕方が多様化する要因はあると思っていて、著者らの場合で言えば「戦略PR」「CRM」といったキーワードをセットで語っている、と。本書では、著者らの開発した「inbound360」「Synergy! 360」といったツールの紹介にもページが割かれており、そこはまぁ宣伝コーナーとして割り切らなければいけないのかなと思いつつ、実践のなかで分析(とPDCA)をいかに効率よく高速で回すかが大事、という視点は参考になりました。また、末尾に収録された特別インタビューの中で、水野学氏が

今の社会の情報の流れは、マスメディアがなかった時代に逆戻りしているのを感じます。

と指摘されていたのが興味深かったです。SNSの普及により情報の伝播が変わりつつある様について語っているのですが、確かにそういう側面はあるなと。もっとも、その種のトレンドも行き過ぎればいずれ揺り戻しが来るのでしょうけど、そうなる頃にはどんなマス?メディアが主流になるんでしょうかね......。

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