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Webデザイン プロフェッショナルワークフロー・バイブル、復刊

既にFacebookやらTwitterでは周知済みですが......自分が監修として携わった『Webデザイン プロフェッショナルワークフロー・バイブル』(原著は『Transcending CSS: The Fine Art of Web Design』)がKindle版で復刊された、とのお知らせを編集者の方よりいただきました。5年も昔に出版された紙の本、しかも扱っているのが変化著しいWebデザインにもかかわらず、こういうかたちで復刊されるというのは、とても有難いことだと思いますし、本書の出版に携われたことを改めて嬉しく思う次第です。

出版以後のCSS仕様の動向を踏まえたアップデートがなされているわけではないですから、そういう意味ではこれから買って読もうという向きには大変申し訳なく思うのですけど、しかし今だに十分参考としていただけるアイデアなり発想、考え方も多く盛り込まれていると思います。実際、「監修あとがき」として自分が書いた内容を読み直してみても、あぁこれって「今」語ってもそれほど不自然でもないなぁと思いました。以下にその一部を引用してご紹介しておきます:

意味的なマークアップとスタイルシートでWebページを制作することは、デザイナーや開発者にとって今や常識となりました。そしてブラウザはWeb標準への準拠を着実に進めながらバージョンアップを重ねており、ブラウザ間の実装差異に悩まされることは少なくなってきています。ともすれば、そうした状況をもってWebデザインは成熟した、その手法は完成の域に達したと思い込みがちです。

しかしClarke氏は、まだまだ私たちにはできることがあると説きます。その根底にあるのが「Transcending CSS」という考え方であり、いまだ根強く残る「すべてのブラウザに同じ見た目を」という考え方への反論です。仕様策定やブラウザシェアの変化のスピード、あるいは今まで採用してきたワークフローにとらわれることなく、Webデザインを進歩させ続けようとの彼の主張に、私は賛同します。

他の多くの産業がかつてそうであったように、Webデザインはいまだ未成熟との見地に立ち、より多くの試行錯誤を繰り返しながら次世代のWebを創ることは、今日のデザイナーや開発者にとっての責務。これは私個人の勝手な感想ですが、私自身がその責務を果たす一環として、このたび日本語版の監修を担当させていただいた次第です。一人でも多くの方々にClarke氏の言葉をお届けし、Webデザインの未来を共に切り開く一助としていただけたなら幸いです。

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