アップル帝国の正体
著
後藤直義氏と森川潤氏の共著、『アップル帝国の正体』について覚え書き。先月のことですが、Apple「作業風景撮影させろ」日本の下請け「はい...」→Apple「技術盗めたからお前んとこ切るわwww」|ピカピカニュース2chという記事について
映像だけで完コピ可能とは考えにくいけど、可能だったとしたらその程度の「技術」ってことに。
これ、「アップル帝国の正体」って本に結構詳しく書いてありますけど、ビデオの撮影もかなり念入りにされてたみたいなので、撮影後に少し時間はかかっても可能だったんじゃないかなという印象を受けました。
と教えていただいたのがきっかけ。実はそれより前からアマゾンのほしい物リストには登録してあったのですが、少し前に本書が「本日のKindle日替わりセール対象」に選ばれ、55%オフの499円で売られていた日があったので、つい。
感想ですが、いや実に面白かったです。本書はiPhone 5s/5cの発売だとかドコモがiPhoneの取り扱いを始める云々より前に出版されており、若干陳腐化してしまっている部分がある反面、その内容がどれだけ未来を正確に予測していたか?という視点からするとまた興味深かったり。Appleといういち私企業が、いかにしてグローバルにサプライチェーンやハード/ソフト/コンテンツ流通に影響を与えてきたかがコンパクトかつ読みやすくまとめられており、いちApple信者としては痛快ではあるけれど、企業としての殺生与奪の権を完全に他社に奪われる立場で読むと一種のホラーでしかない。そして極めて短期間のうちに「帝国」を築き上げたAppleとて、カリスマ創業経営者を失った今となっては、決して未来が安泰と言えない現状というドラマチックさ......いやはや、読み応えありましたねぇ。