モバイルフロンティア
著
監訳をされた@nobsatoさんの計らいでいただいていた『モバイルフロンティア』をようやく読了。著者のRachel Hinmanさんについては、一度だけBreaking Development Orlando 2012で講演を聞いたことがありました(Breaking Development Orlando 2012 DAY 2参照)。モバイルというデザイン領域の現状を俯瞰しつつ、そこに足を踏み入れた人々に向け一種の応援メッセージを送っている本書、なかなかの情報量で一度通読しただけでは咀嚼しきれないですね。もうあと1、2回は読み直したい感じだけれど、ビビビときたところをいくつか厳選してピックアップ:
私たちが生きているこの30年は、世界がこれまでに経験してきたもっとも重要な変化のひとつ
「ツールを作ると、今度はツールが我々を作る」
バックミラー効果を回避するためには、モバイルエクスペリエンスが満たす潜在的なニーズを特定するスキルを習得することが重要
確かに、モバイルでは「どこでも」使えるようにデザインしなければいけませんが、これはもっとも重要な側面のひとつであると同時に、モバイルUXのひとつの特徴にすぎない
ユーザーの視点から見たとき、あらゆるコンバージェンスによるエコシステムの目的は相互運用性
PCが何かを完了させるのが得意だとしたら、モバイル端末が得意なのは可能性を見せること
アニメーション化されたものが、有機的か無機的かをよく考えることが大切
なお、自分が気づいた限り、誤記と思しき箇所が複数ありました。まずp.182で以下に挙げる5つの体験的プロトタイピング
とありますが、実際には4つしか列挙されていません。まったく同じ状況がp.196のまとめにもあります(そちらでは「ボディストーミング」であるべき項が「ブレインストーミング」になっていたりもする)。p.184にあるビネット
という言葉も謎(「ベネフィット」の誤記?)。そしてp.199の人々は不安になることようなこと
にも誤記が。