宇宙飛行士になる勉強法
著
元宇宙飛行士、山崎直子さんの著書『宇宙飛行士になる勉強法』をだいぶ前に読了。これを読んで実践すれば誰でも絶対に宇宙飛行士になれる!というような本ではもちろんなく(職業的宇宙飛行士を少しでも目指したことのある人なら、そんな本は書きようが無いことは周知の事実でしょう)、ご自身の生い立ちについて「学び」にフォーカスして書き下したエッセイ集、という印象。見開き2ページでひとつのエピソードが完結する構成で、非常に読みやすかったです。巻末に『宇宙兄弟』の作者、小山宙哉氏との特別対談が掲載されているのは、さすがは宇宙兄弟ブームというか、マーケティング的にすごく正しいというか。自分に印象的だったフレーズをいくつか:
子育ての方針は、「質素、忍耐、謙虚」
- (高校進学にあたり)
受験校の選択については、両親は私にすべてまかせてくれて何も言いませんでした
テレビのそばには「三種の神器」
(具体的には国語の辞書、英語の辞書、世界地図)親から「勉強しなさい」と言われたことはありません
卒業論文のテーマは「宇宙ガソリンスタンド」
(......つい映画『アルマゲドン』のアレを思い出してしまうw)スミソニアン博物館のなかにある国立航空宇宙博物館へは、とくに何度も通いました
文法さえ覚えてしまえば、ロシア語の発音は、英語より簡単かもしれません
- (コロンビア号事故後について)
いちばん大事なことは、訓練を楽しめるかどうか
何か予想外のことが起こり、自分の目指していたゴールが見えなくなってしまうことがあるかもしれません。そんなときは、自分のなかにあるいちばん素朴な気持ちを思い出してみてください
「あおいくま」とは、「あせるな、おこるな、いばるな、くさるな、負けるな」
「宇宙飛行士はある意味、バカじゃないとできないね」
自分で決めたからには、腹をくくって、自分の責任でその道を進んでいく
特別対談のなかでは、「何も通じないで宇宙を見た」宇宙飛行士のエピソードが興味深かったです。宇宙服の気圧を調節するためのパージバルブをわざと開け、その直系2ミリほどの穴を通じてじかに宇宙を見たとかいう。いいなぁ、そういう経験......自分の子供や孫にも語り継げる、素敵な経験だよなぁ。ちょっと危なっかしいけど。