ユーラシアセミナー 冷戦後の宇宙開発
著
息子を塾に送り届けてから、いつものごとく蘭豆で一休みしていたら、うっかり予定の時間の電車に乗り遅れてしまい到着が開始時刻ギリギリになってしまったのですけど、立正大学大崎キャンパス11号館第6会議室で催されたユーラシアセミナー「冷戦後の宇宙開発」に参加しました。講師はTBSの宇宙特派員として宇宙飛行士になった菊池涼子氏。氏の著作『星の街から』をつい先日読み終えたばかりであり、また氏の同行するロシア宇宙開発の歴史を訪ねてツアーへの参加を検討中であることから、直にお話を聞ける貴重な機会として楽しみにしていたのです。興味深かったポイントは以下のとおり:
- 近年プーチン大統領は何かと撮影を禁止する傾向にあるらしく、TBSは当時の映像資産をもっと宣伝すべきとのこと。
- ソユーズの着陸については原始的、泥臭いといった表現を何度か使っていたのですけど、個人的にはやや違和感が。実際そういう側面はあるけれども、スペースシャトルの着陸が無駄にかっこ良過ぎるがゆえに双方の視覚的ギャップもまた無駄に開いているだけ、という見方もあるかなと。
- ロシアはローテクを改善し続け、アメリカはハイテクを頑張り過ぎる......それは確かにわかりやすいのですけど、そもそもローテクとは何で、ハイテクとは何なのか、というのが実は地味に奥深いような。
- ソユーズの緊急脱出装置が実際に使われたエピソードが興味深かったです。発射台上で爆発が起きた際に使われ、宇宙飛行士には17Gがかかりながらも脱出に成功、発射台から4km離れたところに着陸したのだそう。
- ブラン=こつ然と消えた古代文明、って比喩が妙にツボ。
- クリカリョフ飛行士ってホント優秀な方なのですね。時代が違っていたら、おそらくはコロリョフ氏のような存在になっていたのかも、などと妄想。
- 質疑応答でトップバッターの方が技術開発に対する米ロ間の根本的な発想の違いを質問され、そこはまさに僕も聞きたかったこと(&ロシアに行って自分なりの答えをみつけたいのもその問いに対してである)なのだけど、菊池氏もそこはよくわからない、らしい。
- 訓練していたある日の授業で外を見ては行けませんと言われたとき、ふとカーテンの隙間から見えたのが当時の李鵬首相だったというのは初耳のエピソード。中国はかなりしっかりロシアの宇宙開発を視察していたそうで、ここまで真似されるとは思っていなかったというのが正直なところらしく、それが近年のプーチン大統領の「大っぴらには見せない」方向性に繋がっているのだとか。
セミナー終了後、やっぱりいらしたのですねという感じで@tartarossaさんとご挨拶、また昨年のロシア宇宙開発ツアーに参加された@doku_fさんにもお会いしたり、大陸トラベルの当該ツアー担当者の方ともお会いして、良い情報交換ができました。さて、そろそろツアー参加の可否を決断すべきですかね。