経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目
著
このGWに読み終えた、というわけではありませんが、『経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目』について覚え書き。買って読んだ新将命氏の著作としては、『伝説の外資トップが説く 働き方の教科書』に次いで2冊目です。「社長でもないくせに......」と思われるだろうけど、しかし今の時代、企業に属している立場にあっても、経営者の視点を持つ/持とうとすることって重要だと思うのです。少なくともそうすることで、自分の属する組織や置かれている立場を客観的に理解しやすくなるというか。雇用者と被雇用者のあいだの線引きというのも、組織運営上必要な時と場はあるけれど、かといって必要以上に太い線を引く必要はなく、むしろ太い線を引いた結果として同じ組織内で無用な対立構図を生みやすくするのもどうかなと思うわけで。閑話休題。
新氏といえば、過去に名だたるグローバル企業で社長職を3回、副社長職を1回経験されてきたいわば経営のプロ中のプロ。『働き方の教科書』を読んだときにも、氏の言葉には説得力があるなぁと思ったのですが、それは本書でも同様。機会があれば、いちど講演を拝聴してみたいものですね(アカデミーヒルズで何度か講演していたみたい)。7つの章に分けて都合30に及ぶ経営の原理原則を取りまとめたのが本書。恐ろしいことに、会社をつぶす社長には、実はこの「経営の原理原則」を押さえていない、という共通的な特徴がある
とのことで、それだけに氏の主観だけに依存しない、普遍的な内容になっているのだと思います(だからこその「原理原則」なのでしょうが)。以下、印象的だったフレーズを:
結果を求めたければ、まずは理念に戻ること
情熱は正しい方向に向けられたもの、つまり、世の中をよくするためのもの、人を幸せにするためのものでなければならない
A man is a sum total of all the people he has met in his life.
経営者は小さなことを理解しながらも、つねに全体最適を考えることが求められる
走ることができる前には、歩けなければいけない
(イギリスの諺)めざすはビッグカンパニーか、グッドカンパニーか
(※ビッグを目指す前にグッドであることが必要)人を育てるための、最も効果的な方法は任せることである
(ドラッカーの言葉)「自分が何をいったか」より「相手にどう伝わったか」が重要
同じところにいると、いつまでも同じ問題に頭のなかを占領され、そこから脱却することが難しくなる。だから、意識的に環境を変える
(......自分には年に一度は一人旅が必要かも)地味にコツコツと継続された改善は、やがて限りなく改革に近い効果をもたらす