Mobile First
著
Luke Wroblewski氏の著作『Mobile First』について。読み終えたのは結構前のことだけれど、そろそろ来月のセミナー(何)を準備しなければいけないこともあり、読み直さなければ......というタイミングで、思い出したように覚え書き。実は自分にとって本書がiPad/iBooksで最初から最後まで読んだ初めての電子書籍だったりします。なんだかんだ言って紙の本大好きっ子なので。ただあるとき何かの記事で、ePubのメタ情報を編集し(僕はcalibreを使っています)、言語設定を日本語にすればiBooksで読む際に英英辞書ではなく英和辞書が使えること知り、それで洋書を積極的にiPadで読む気になったんですね。それはさておき、以下気になったところを適当にピックアップ。
Fundamentally, there's just one World Wide Web, but it can be experienced in different ways on different devices
- 冒頭、「mobile web」「mobile website」といった言葉は使わず、本書では「mobile web experience」と言うよ!に続けて登場するのがこのくだり。「one web」という表現を巡っては一悶着あったり無かったりしますが、この前提の明示は重要だと思いました。
When you design for mobile you are designing something that can be used anywhere and anytime
- モバイル向けにデザインするということは、いつでもどこでも使えるようデザインするということ。御意。
one eyeball and one thumb
- 「mobile web experience」とは?をうまく言い表した表現かなと。もちろん、この表現の意味するところのバリエーションは無数にあって、それこそ家でくつろぎながらデバイスに向き合っているときと、電車内でつり革につかまりながら片手でデバイスを操作するのとでは、だいぶ差があるはずですけども。
while desktop is "diving" while mobile is "snorkeling"
- 水面下に魚を探す目的は同じ......という前提における、「mobile web experience」と「desktop web experience」の対比ですね。言わんとしていることはニュアンスとしてはよくわかります。僕はダイビングもシュノーケリングもやらないけど、そもそも必要な装備が違うことくらいは知ってますし。
Remember to consider non-touch and hybrid devices when designing your mobile web interactions
- iOSデバイスしかり、Android端末しかり、なんとなくタッチスクリーン前提で考えてしまいがちではあるけれど、決してそれを備えたデバイスが全てだなんてことはないですし、忘れてはならないポイントかなと。
someone bought a $265,000 plane using eBay's iPhone app
- まぁ、そういう事実もあったってことで。いくらなんでもそんな高額の品をスマートフォンから買うなんてあり得ない、そう思い込んでいる人にはちょっと興味深いですよね。もっとも、スマートフォンであれ何であれ、ネットで買い物をするということに変わりはないわけですが。
You don't need to know everything about mobile - just take what you do know and go
- 結局のところ、本書は一種の応援歌なのだ、と強く感じたのが本書末尾のこのくだり。モバイルデバイスでWebを利用することが主流となりつつあるなか、すべてを知り尽くしてから動き出すのでは遅すぎる、今できることからとにかく始めよう......そんな風に受け取りました。