iPhone+Android スマートフォン制作入門
著
たにぐちまことさんの著作『iPhone+Android スマートフォン制作入門』を読了。本書は3月に第4回宇宙総合学研究ユニットシンポジウムに参加すべく京都へ向かう夜行バスに乗る直前に買っていたのだけど、以来忙しくてなかなか読めずにいました。まぁ、仕事では既にスマートフォン対応の案件を担当していたりするのですけど、改めて復習的な意味合いも込めて読んでみました。入門書であるからして基本的に「広く浅く」な本ですが、これからスマートフォン対応を始めようという方にとっては、バランスの取れた好著ではないかと思います。以下、個人的に気になったことなどをいくつか覚え書き:
- p.20の「携帯サイトをスマートフォンに流用するときの問題点」は要点としてコンパクトにまとまっているなぁと思いました。取り上げられているのは半角カナ、絵文字、アクセスキーだけですけど、最近ふとガラパブラウザって優秀なんだなーと思ったことがありまして(謎
- p.25やp.34に、Opera miniとSafari/Android標準ブラウザとの表示の違いが示されていたのが興味深い。罫線の処理が違うのはどのあたりに理由があるのだろう?
- p.40にある注意書き「Mac OSのSafariやChromeの最小ウィンドウサイズは350px」というのは初耳でした。確かに素の状態では縮まらないなぁとは思っていたのですが、ChromeならWindow Resizerのような拡張を使うことで350px未満に幅を縮めることはできますよね。Safariは知らないけど。
- p.44以降、Androidエミュレーターの導入が解説されています。で、直接は関係ないのだけど、自分のEclipseではなぜか起動のたびにAndoid SDKが(設定済みにもかかわらず)設定されてないぞゴルァと毎回怒られるんです。ぐぬぬ。
- p.101以降、サンプルページのマークアップが登場するのですが、aside要素の使い方に違和感。アクセスの詳細にしろ電話受付時間にしろ、重要な情報であってaside要素で括らないほうが良いように思いました。もっとも、HTML5の新要素を紹介すべく半ば無理矢理使ったということであれば、理解できなくもないですが。
- 同じくp.101以降のソースで「_shared」というようにアンダースコアから始めるディレクトリ名が登場しています。そこは何か補足があっても良かったかもしれません……ソートしたときに他のディレクトリと区別しやすくするといった意図があるのだろうと推測しますが、正解?がわかりませんでしたので。
- p.117で属性セレクターが紹介されていて、自分もそれなりに使ってはいるのだけれど、まだまだ習熟が必要と思っているのが、属性値の一部を共通化させてそれらに一括でスタイルを適用するあたり。よほどサイトの視覚表現全体を把握できている前提がないと、そうした部分一致を効率的に活用できないわけで、云々。
- p.129でスマートフォンサイト用に「iphone」ていうサブドメインを割り当てているのが、iPhoneに偏り過ぎの印象があってちょっと残念。その点は、p.154のソースサンプル中に登場する「iphone.css」というファイル名も同様(Andoridにだって適用され得るスタイルシートの名前としては)。
- p.155で媒体特性の表があるのですが、大文字から始まるのと小文字で始めるのと混在しているのは何か意味があるのでしょうか?ちょっと気になりました。
- p.159でCSSを使った画像の切り替え方法が紹介されているのですけど、微妙ですね。内容が完全に重複してしまっていますから。