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フリーソフトで学ぶセマンティックWebとインタラクション

荒木雅弘著『フリーソフトで学ぶセマンティックWebとインタラクション』について。タイトルにある通り、セマンティックWebとWebインタラクション、この2分野につきフリーソフトで取り組める例題を各章の末尾に設けつつ解説している書籍です。僕はこの本を、セマンティックWebの関連技術について浅く広くおさらいする目的で読みましたが、その目的は果たせたのではないかと思います。その理由は、あとがきの以下のくだりに集約されているかもしれません:

Web の標準化技術は日々進んでおり,本書執筆時点の情報が出版時点ではもう古くなっているかもしれません.しかし,それを恐れていては,How-to 本しか書店に並ばなくなってしまいます.What-for を捉えておけば,何がどのように変わっていくかを冷静に眺められる視点を得られると考えています.

実際、個々のトピックスの掘り下げ方は決して深くありませんが、個々の技術の相関を捉え直すとか、その技術がなぜ必要かといった部分を押さえるには良い本だったと思います。インタラクションやらフリーソフト云々はさておき、セマンティックWebの入門書としての価値は十分あるかと(ちなみに例題は解いていません)。気になったのは、Microdataに一切触れられていない点。マイクロフォーマットやRDFaはしっかり節を設けて紹介しているのに、不思議。HTML5から分離されてちょっと影が薄くなったから……なんてことは、無いだろうし。Googleのリッチスニペットにおける事例を紹介すれば、わかりやすかったと思うんですけど。

あとは「Extensible」とあるべき表記がことごとく「eXtensible」となっていたのも気になりました。かくいう僕も昔、そういう書き方をしていて間違いをyuuさんに指摘していただいたわけですが。あとはHTMLを扱う第10章において、<a name="title" id="title"></a>のような、要素内容をもたないa要素が紹介されているのは、いまどき微妙な気が。XHTML 1.0の仕様書に実際にあるマークアップではあるのですが、「文書構造の確認」というお題にとっては、あまり良いサンプルになっていないというか。何をフラグメントの命名対象とするかは、個人の好みの問題として、意見が分かれるところと認識していますけどね……。

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