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何とかなるさ!

「国際宇宙ステーション『きぼう』が拓く有人宇宙活動」シンポジウムに参加した、2月14日の覚え書き。日曜日にもかかわらずいつもとあまり変わらぬ時間帯に起きだして、ひとりスタバへ。そこでシナモンロールとラテの朝食を取りつつ、山崎直子宇宙飛行士(@Astro_Naoko)の著作『何とかなるさ!』を読了。宇宙飛行士の方が、実際に宇宙に行く前に自著を刊行されるのは珍しいと思いますし、ましてやその内容の赤裸裸さといったら、ほかに類をみないのではと思います。何せそこには、世間からスーパーマン/スーパーウーマンとしてしか見られることのなかった、あるいはそう「見せる」しかなかった、かつての宇宙飛行士像はないのですから。ごく普通に、いやもしかしたら普通以上に思い悩んできた、一人の人間としての有り様が吐露された希有な自伝となっています。本書で特に印象的だったのは三ヵ所ほどあって、まずp.163より:

たぶん、人の本当の気持ちというのは、言葉より行動に表れるものなのでしょう。
家族というのは、互いに気を許しがち。よって、ときにはひどい言葉をぶつけ合ってしまう。
でも言葉に真の気持ちはない。行動にこそある。
だから言葉でなく、行動を見よう、と思うのです。

……確かに一理あるなと思います。そしてこれは相手が家族のみならず、あらゆる対人関係においても必要なことだと感じました。言葉に対し一切の信用がおけないわけではなく、信用に値したかどうかは、行動や行動した結果こそが決定づけるというか。だからこそ、どんなに小さくて取るに足らないように思えることであっても、有限実行の人は信用できると思うし、自分もまたそうありたいと思った次第。第二に、p.174より:

本当の男女共同参画社会の実現をめざすなら、女性を支援する制度だけでなく、休職や退職をした男性を支援する制度がもっともっと必要。男性を支援することが、男性の選択肢を広げ、それがひいては女性を支援することにつながると思うのです。

このくだり、直子さんが一家の大黒柱として働いている背景があり、そのうえで万が一のことがあったときの(残された家族への)保障がない事実を受けてのものです。夫を見ていて、男性が会社を辞め、いったん社会から身を引くと、復帰がいかにむずかしいかを知りましたともありました。幸い?実感としてはないけれども、実際そうなのだろうなと感じるところは僕にもあります。男女共同参画社会を志向しているとはいえ、「総論賛成・各論反対」な部分が、日本社会にはまだまだあるのかもしれません。

最後にp.217に、いつか南極にも行ってみたいとのくだりが!なぜ行きたいのか、動機こそ書かれていませんが、山崎宇宙飛行士にとっても南極が魅力的な地であることを知り、ちょっと嬉しくなりました。と同時に、南極は南極でもその端っこの南極半島とはいえ、過去に二度訪れた経験の持ち主として、ちょっと優越感を覚えたのも事実。ともあれ、無事にSTS-131ミッションを終えられたら、是非ご家族で南極ツアーに参加していただきたいな、と。宇宙からの眺めには劣るかもしれませんけど、素晴らしい南極の景観にはきっと魅了されると思います!

さて、ご主人の山崎大地さん(@Taichi_Yamazaki)も2週間後には『宇宙主夫日記』を刊行されるわけですが……そちらももちろん購入予定ですけど、読むのがいまから楽しみです。

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