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「おおすみ」40周年記念シンポジウム

国立科学博物館で開催された「おおすみ」40周年記念シンポジウムに参加しました。本当は午前中の記録映像の上映会から参加したかったけれど、嫁さんが風邪をひいてしまった関係で息子を散歩に連れ出すなどしたため、午後の講演会のみの参加。さすがに向こうは覚えていないかなと思いご挨拶はしなかったけれど、受付では周東さん(誰)のお元気そうな姿をお見かけしました。会場では中央前から3列目、@hadukinoさんと@summerwindさんに挟まれる席をゲット。なんでも告知から24時間以内には定員に達してしまったそうで、確かに会場はほぼ満席だったような。

50年後の「おおすみ」は?
秋葉鐐二郎先生の、随所にユーモアあふれる講演。40周年という、数字的にはやや中途半端?なタイミングでのイベント開催の裏には、当時の関係者の方々がお亡くなりになってしまう前に、という一種の配慮があってのことらしい。宇宙システムとして打ち上げるべき総重量が同じならできるだけ小分けに高頻度で上げるべし、というのは経済的にみても正しいのだろうな(軌道上での組立のコストはあるにせよ)。あと、10年後の「おおすみ」50周年に向け、日本版X Prizeとでも呼ぶべき提案がなされたのは、是非実現していただきたい感じ。
Mが拓いた世界
的川泰宣先生の、これまたユーモアあふれる(そしてトリビアに満ちた)講演。博物館に入る際に65歳以上であることの外見だけで見抜かれたことだとか、性能計算書のギャグであるとか、「HAYABUSAの影に糖尿病あり」とか、とにかく面白過ぎる。なかでも吹いたのは、K(カッパ)→L(ラムダ)→M(ミュー)と来て、次のロケットの名前にはNを使うところが既にNASDAに使われてしまっていた!陰謀だ!!っていう。ともあれ、21世紀には20世紀にみられなかった新しい発想の宇宙開発の時代に切り替わるだろうと自分も思いますし、またそうあって欲しいと願っています。
日本のロケットの将来像
森田泰弘先生の講演。終止にこやかに語られていたのがとても印象的。話し方が非常に巧いのですが、ただリズムの変化がやや乏しく、途中気絶してしまったという(スミマセン)。内容的にはイプシロンロケットの進捗と今後の方向性、みたいなものでしたけど、肝心の?なぜ「イプシロン」という名前なのかは打上げ後の会見までお預けらしい。個人的には「能力感度」という言葉と、イプシロンで採用予定のZigBeeっていう通信規格が気になりました。あと質問はしなかったけれど、(低融点推進薬に絡んで)環境負荷低減への取り組みはどうなっているのかなぁと。

質疑応答のなかでは空中発射方式についての言及で、単に獲得高度のみからエネルギー的にお得というだけでなく、発射する方角についても制約が無い点で有利(地上からだと避けるべき地域/海域があったりして、そのための飛行制御に伴うエネルギー損失がかなり大きい!)というのは、新たな気づきでした。なお、本イベントの内容は既に

あたりにまとめられていたりします(相変わらず@nyossiさん仕事速過ぎ!)。[2010-02-08 追記] @ShinyaMatsuuraさんから、当覚え書きの掲載内容に関連して以下のコメントをいただきました:

10年近く前に、故黒田泰弘氏(N-Iロケットの開発責任者)から「それ以上の大型化はこちらでやるという意味で名前を先に使ってしまえ,とNと名付けた」と聞いている。ただしこの時のNロケットは、後のN-I/N-IIとは別の日本独自開発の構想。

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