リーダーになる人に知っておいてほしいこと

2009年10月12日 著

三連休中に唯一読み終えた本というのが松下幸之助著、松下政経塾編集による『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』。タイトルに釣られて買ったわけではなくて、書店の目立つところに置いてあったのをたまたま手にし、その手頃な価格と文章量、そもそも松下氏の本て今まで買ったことなかったよなぁ……との思いから購入。未公開テープ約百時間をもとにして作られた書籍らしいのですが、本文は松下氏の語り口調を踏襲しているのか、関西弁そのままの文体で読みやすく、それがまた（直に自分に語りかけてくるかのようで）面白い。

既にリーダーとしての機能を担うことを組織から求められ、そういう役回りには自分は圧倒的に向いていないと知りつつも、会社人としてその要求を満たすべく日々努力している「つもり」の僕にとって、日本屈指の経営者とされる松下氏の言葉はどう響くのか。その点もまた、読み進めるなかでの興味の焦点だったりもしました。都合48ある項目のなかには、さすがに生きて来た時代の背景が違い過ぎるせいか、若干の古臭さを感じざるを得ないものもあったにせよ、なるほどと思うところもありました。後者につき以下4項目ほど、引用して覚え書きしておきます：

• 人間は大きな運命の流れの中で生きている。その流れに素直に乗るには、まずはその日その日を充実させて生きていくことが大切である。
• 迷うだけ迷えばいい。けれどもそのあいだはじっとしていること。光明が見えるまで、迷いながらも勉強し研究し続けること。その迷いが大きいほど、偉大なものが生まれるはず。でも迷わないでいいことでは、決して迷わないように。
• 腹の底から得心できないことが世の中のほとんどである。だから、適当なところで結論を出さないといけない。その説明のできない一種の悟りの境地で「適当なところ」を見極めることが肝要である。
• 悲しいことは誰にでもある。ただそれに執着するかしないか。とらわれていては、人生の無駄である。