CSUN 2009 2日目
著
CSUN2日目(3月19日)に参加したセッションの覚え書き。
- A Collaborative Handbook of Best Practices for Web Accessibility
- Accessibility Kit for SharepointやWindows Live Writerで実装しているWYSIWYGエディタは意味的でクリーンなソースを出力するよ、ということらしいけど、どうなのだろう。そもそもWYSIWYGという考え方自体、既に見た目に発想が引きずられている以上、どこかしらに無理がありそうなものだけど。一定の理解に達するまでは、Wordでいうところのアウトラインモードでしか編集できないようにしてしまっても良いのでは?
- Accessible, Usable, Searchable On-line Video
- Web上で目にすることのできるキャプションのまとめ的なセッション。なかでもABC.comのは表示/非表示、文字サイズに加え黒地に白文字かその逆かを選べたりしていて、カスタマイズ性で他を一歩リードしている印象。後は、iTunesが地味に対応していたのを初めて知りました。もっとも、日本ではまだ映画のレンタルとか始まっていないからアレですが。
- The New WCAG 2: Web Accessibility Q and A with the Editors
- WCAG 2.0の紹介を兼ねた、パネラー一人一人の自己紹介の時間が長過ぎたような気がします。質問のなかではGlendaの発した「WCAG 1.0はまだ教育に用いるに値するのか」というのが興味深かったですね。WCAG側の回答としては、2.0の利用をオススメはするけれど、1.0もまた標準であることに変わりはなく、アクセシビリティを測るための「物差し」という意味では2.0も1.0も同じ、とかいう。
- Magic Button: Integrated Standards Validation
- Wikiにアクセシビリティチェックの機能とFirebugを統合したようなフレームワーク。プロセスの全体を通じてアクセシビリティに配慮できるようになる、というのは良いのだけれど、すぐと採用なり試してみたいかと言われると微妙。
- Internet Explorer 8, ARIA and new Accessibility Features
- 正直、あまりアクセシビリティにフォーカスしたセッションではなかったような気がします。いやフォーカスしていたつもりかもしれないけれど、機能紹介の都度、その話題はユーザビリティの領域ではないの?などと気になったり。音声読み上げ環境を使ったデモなんて、ほとんど無かったし(最後のWAI-ARIA対応でARIA Example: Tree Example 2: Links are used to add behavior to the treeをちょこっと読み上げさせてみた程度)。関係ないけど、Windows 7ではDPIをユーザ単位で、再起動なく(再ログインのみで)変更できるのは良いですな。
- WCAG 2.0 and Microsoft Silverlight 2.0
- UI Automationの話を興味深く聞きました。曰く、次世代のアクセシビリティAPIであって、MSAAよりも柔軟かつパワフルなのだとか。あと、NVDAがサポートしているようですね。後日のNVDA開発者とのミーティングで聞いた話だと、MicrosoftがNVDAに出資している理由の一つにこのUI Automationサポートがあるらしい。それと、別のセッションでも耳にしていたせいで、Webプラットフォームでアクセシビリティを確保するうえでのビジョン「Accessible by Default」が印象に残りましたね。
- How to Use W3C Guidelines to Achieve Legally Compliant Websites
- 途中、本は非アクセシブルみたいな話が登場したのがやや奇妙に感じられ、いまいち文脈的によく理解できなかったような。新しいSection 508がWCAG 2.0に個々にマッチングする云々はなるほどという感じがしたけど、ちょっとやはり講演の全体的な流れがうまくつかめなかったです。疲労がピークに達していて、後半かなり意識が朦朧としていたせいだろうけど。
とにかく前日の徹夜が祟って、すべてのセッションが終わったら部屋に直行、すぐと寝てしまいました。本当はInternational Receptionとか、WCAG 2.0 Working Group Socialの予定されていた夜だったので、どちらかに参加したいなとは思っていたのですが。でもって変な時間(日付が変わる前後)に目が覚めてしまい、そのまま3日目の朝に至るという。