見出しの理想的な読み上げ方とは?
著
OperaにWebエバンジェリストとして勤めていて、WaSP/ILGでご一緒しているHennyが、見出し要素の使い方について「HTML 5 to the H1 debate rescue?」という記事を書いていました。こと見出し要素に関しては、Bruce(彼もまたOperaのWebエバンジェリストw)が日を同じくして「Headings in HTML 5 and accessibility」という記事を書いていますね。どちらも興味深いのだけど、Hennyの記事にはTwitterを介して寄せられた意見がいくつか紹介されているのが、目を引きました。なかでも「おやっ?」と思ったのが以下のくだり。
Generally speaking the page makes logical sense (to me at least but admittedly I only use screen readers to test pages) when it degrades gracefully from the site name in the page TITLE to the page name as the H1 and subsequent sections as H2 after that. As Jared Smith points out, if you use multiple H1’s when the user expects only one H1 there is a danger of missing subsequent content under the next H1 entirely.
……まぁそれだけ、レベル1の見出しが1度しか登場しないページが一般的であり、スクリーンリーダー利用者の側でもそのような文書構造が半ば常識と受け止められているのかな、と。個人的には、同一レベルの見出しが何個あるかを利用者に伝えることが必ずしも有用とは思わないけれど(JAWSにはそういう機能がある)、見出し要素を収集して目次を構成する機能を備えている前提では、せめて同一のレベルの見出しが複数存在するか否かを、スクリーンリーダーはしっかり伝えるべきかなと思いました。そうすれば、ページ中に存在する全てのh1要素だけをまず聞き取り、興味ある見出しを選択したうえで下位(レベル2以降)の見出しに遷移するといったアクセスが可能になり、利用者側で見出しの取りこぼし(聞き逃し?)は減るはず。もっともそれが実装されたところで、そんな機能はまどろっこしいという理由から無効化されてしまえばアレだけど(取りこぼすことのリスクは利用者が十分認識したうえで)。目次情報を音声で提供するにはどのような選択肢が考えられ、また既存のスクリーンリーダーや音声ブラウザの実装状況はどうなっているのか、いまいちど確認しないといけないな。
てなことを思いながら、久しぶりに渡辺先生の発表スライド「Experimental Evaluation of Usability and Accessibility of Heading Elements」を読んだのだけど、見出しの読み上げ方を変えて同じような比較検証ができたら面白いかも?