読書進化論
著
一番最近読んだ新書といえば、勝間和代氏の著作『読書進化論』。買うべきかどうか、しばらく迷っていたけれど、先日浜松まで出張にでかけた折、新幹線の出発まで余った時間に東京駅構内の書店を物色していて、ついに購入してしまったという。書籍というメディアに対する勝間氏のスタンスを確認してみよう、というのが主たる動機。まぁ、それだけなら巻末の「私を進化させた20人の著者」というコーナー冒頭にある、以下の一文に簡潔明瞭にまとめられていたわけですが。
よい著者との出会いは、自分の未来に対する指針を示し、私たちの現在の体験を豊かにし、そして、過去のできごとに対する整理・考え方のフレームワークを与えてくれます。
なるほど、僕は決してカツマー(何)と呼ばれるほど入れ込んでいるつもりはないものの、最近この方の著作や記事をよく読んでしまう理由もなんとなく理解できた気がします(単純に、氏の露出機会がバブルのごとく増えている影響もあるにせよ)。加えて、同じ著者の著作をあまり立て続けに読んでしまうと、過度にその人の視点なり考え方に影響されそうで微妙に恐いのですが、Chabo!を通じチャリティに参加してみるか、という軽いノリで買えてしまうのが勝間本の良いところw
書籍の場合、(自費出版のような形態もあるとはいえ)企画の段階で「ある程度は」経済合理性に基づく淘汰により、Webにあるような玉石混淆ではない情報発信ができる、という本の良さを再認識。と同時に、どうすればもっと書籍を買ってもらえるか?という点はいろいろ考えさせられます。僕は自著こそありませんが、海外書籍の監修というかたちで、今なお書籍を出版する側の立場にありますから……。著者ブランドが既に確立された以上、短期的にみて勝間本は「出せばある程度の数はさばける」こと請け合いでしょうが、僕が携わっているような技術書の場合はなかなか難しい。
ほかにも、店頭で手に取って選ぶときは本の構造にもっと注意してみようと思わされたり、フォトリーディングという読書法を知ることができたりもしたのですけど、興味深かったのは勝間氏が自身のBlog「勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!」のスタイルシートを自ら編集していたという点かな。その領域にまで手を出していたとは、さすがです。