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お金は銀行に預けるな

「しくみ」マネー術よりもずっと先に読み始めていながら、なぜか読むのを中断してしまって、先週(だったかな)になってようやく読み終えたのが「お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践」。言わずと知れた勝間和代氏の著作であり、いまだに書店で平積みにされているのを見かけるほど、よく売れている一冊。

第1章では、副題にある金融リテラシーという言葉の定義に始まり、それを学ぼうとしないことがいかにリスキーかということが解説されます。個人的にはこの章だけでも良い勉強になったというか、まさに金融リテラシーが低く投資についても無頓着な自分にとっては、一種の良い薬になりました。以下のくだりは特に印象的で、刺さったかな。

金融について興味があっても知識を得ないままでいると、せっかくのお金が銀行や郵便局で寝てしまいます。その結果、その使い道は自分でも思わぬところ−−例えば土地の不良債権や儲からない第三セクター、あるいは日本国債−−などになってしまい、資金が非効率的に使われるばかりか、場合によっては回収が不可能になってしまうのです。

預金保険制度による預金保護があるからといって、預けてさえいれば安心だなんていう発想も、再考の余地ありということでしょうか。少なくとも、金融リテラシーが無いがゆえにどうしてもリスクが計算できないものだから安易に元本保証的な発想にすがってしまう傾向からは、いい加減脱却しなくてはならないかも。

第2章では金融商品個別の紹介が続き、やや退屈に感じられたのですけど、第3章の「実践」に入ると金融でしっかり儲ける方法の5原則に続いて金融リテラシーを身につけるための10のステップが語られ、俄然面白くなるし「早く自分も実行に移さなければ……」という焦りも感じました。自分の現時点での金融リテラシーを悲観すること無く、個々の原則、ステップをさらに掘り下げていこうと思います。

最後の第4章では、第1章で語られ済みに感じる部分がなきにしもあらずでしたが、再び金融リテラシーの必要性が切々と説かれます。そして、日本という国で生きて行く上で今後ますます必要とされるであろうお金との接し方、金融教育の大切さでもって締めくくられました。読み終えてみて、なるほどこれはベストセラー入りを果たすだけのことはある、素晴らしい金融リテラシーの普及啓発書だなと思いました。「分かりやすさ」という点では、これまで読んで来た類書のなかで最も優れていたように思います。

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