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『ウェブは菩薩である』刊行記念対談

定時退社をし、リブロ東池袋店で開催された、カフェリブロトークサロン 『ウェブは菩薩である』刊行記念対談 中村伊知哉×深見嘉明に参加してきました。思いのほか池袋駅からの距離があって、急ぎ足で会場に着いたときには汗びっしょりでしたが、とにかく間に合って良かったです。深見さんとは、ご自身が今回お書きになった書籍『ウェブは菩薩である』にマイクロフォーマットを取り上げた章があり、それに関連して6月に勤務先で『マイクロフォーマット』出版記念セミナーを開催したとき、初めてお目にかかっていました。

同書を僕は書店でざっと立ち読みしていただけなのですけど(失礼)、梅田望夫氏と同等もしくはそれ以上にWebに対して前向きかつ楽観的な視座をお持ちのように感じられた理由は、今回の対談のなかで理解できました。要するに同書は、Web 2.0以降の技術要素を一般向けに優しく説き明かし、深見さんが言われるところの「Webを楽しく、面白く」することが目的、第一義なわけですから。

しかし今日の中村教授とのやりとりについては、正直に言って少し残念な思いをしました。中村教授から深見さんへの突っ込みが甘いというか、あまりメタデータに軸足を置いた掘り下げ方をされていなかったように感じたからです。特に対談の中盤は概ね、書籍の前半の章に取り上げられているテーマを順に拾い出しては深見さんにその趣旨を問い、それに対して中村教授が「ふんふんなるほどねー」と頷くといった展開。せめて、Googleは空気を読めるの?読めないの?ってトピックスでは、今話題のストリートビュー機能に言及して掘り下げて欲しかったなぁ。あと、中村教授がオリンピックがWebで中継されないことに妙にこだわってらした(ように思える)のも気になりました。

とはいえ、全体的には楽しめましたし、二点ちょっと面白かったのは、まず第一にこの書籍が深見さんの修士論文であるという点。他に例はいくらでもあるのかもしれませんが、論文が一般向けの書籍として成立し得るというのは、画期的というかなかなか面白い時代だなぁと思いました。そして、リブロの人から深見さんが「先生」呼ばわりをされていた点。世の中的には仕方のないことかもしれないけど、本を著すと(好むと好まざるとにかかわらず)そういう称号=メタデータを社会から付与されてしまうわけですね、わかりますw

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