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ウェブ時代 5つの定理

「好きを貫く」ロールモデルについて覚え書きをしたときに、梅田望夫氏の著書に言及したけれど、そういえば「ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!」を読了したまま何も書いてなかったことを思い出しました。確か、3月に出張でアメリカに行ったときに飛行機のなかで読み終えた気がする。本書は、シリコンバレーでビジョナリーと呼ばれる人々の発した言葉のなかから、梅田氏というフィルターによって選び抜かれたものを、「アントレプレナーシップ」「チーム力」「技術者の眼」「グーグリネス」「大人の流儀」の5カテゴリに分類・整理したもの。各人の言葉は、日本語和訳だけでなしにちゃんと原文も掲載されているのが地味にありがたい(英語の勉強になるとか、言葉の意味を自分なりに咀嚼し直し易いという意味で)。

登場するなかで、自分にベストと思える金言は何だったかを問われるなら、二つ返事でSteve Jobs氏がスタンフォード大学で行ったかの有名な講演からの引用、と答えます。自分がAppleの創りだすプロダクトのファンであり、そしてまたJobs氏のファンである点を差し引いても、ダントツでそう。本書を読むよりもずっと前から、和訳付きの動画を見るなどして知ってもいたけどね(Fw: ジョブズの卒業式スピーチを字幕で参照)。ちなみにその引用は、最終定理「大人の流儀」のなかでも最後ほうで(つまり本書全体のなかでも末尾に)登場しています。Jobs氏の言葉が本書を総括しているわけではないにせよ、この講演をそれまで知らなかった人には、強い印象を残すかもしれないなぁと思いました(というか、残して欲しい)。話は変わるけど、ことGoogleに関しては以下のくだりが気になったかな。

グーグルは、なるべく創業時の雰囲気を維持したまま会社を大きくしたいという方針から、一緒に働くことになるエンジニア全員が個別に面接して、一人でもノーと言ったら採らない、全員イエスでなければ採用しない、というシステムを採っていました。社員数一万五千人を超えた現在はちょっとわかりませんが、全体で五千人規模ぐらいまではそうだったようです。

これ、額面通りに受け取るなら本当に凄いことだなと。採用に一定の基準を設けることは必要だと思うけど、いくらなんでも一人でもノーと言ったら採らないってのは極端に過ぎると感じますから。と同時に、なんとも恐ろしい方針だなと……この方針なら確かに同じ雰囲気を維持しやすいし、採用後のコンセンサスも取りやすいだろうけど、同時に(ある側面において)人材の多様性を損なうリスクを負うわけで。そのリスクは当然Googleの側でも承知のうえで、なんらかの対策は講じていると思いますけどね(前にも同じことを書いた気がしますが)……概ね、優秀な方々ばかりが集まって(少なくとも学歴によるフィルタリングはしてましたよね?)組織を構成しているわけですから。で、個人的にはその対策に興味があって、要するに会社としてその部分の多様性をどう担保してるのかなぁと。3月にGoogleを訪問したときは、そうした類の質問はしなかったのだけど、聞いてみれば良かったな。それ以前に、果たして今現在も同じような採用方針なのかどうか?

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