「スペースシップ2でいく宇宙旅行」説明会
著
新宿アイランドウイングにあるクラブツーリズム本社で開催された、「スペースシップ2でいく宇宙旅行」説明会に参加しました。イベントを知った当初は、同社の宇宙旅行クラブに所属している人しか参加できないのかなと思いましたが、既にSpace Adventures社のほうのツアーに申込済みである立場を明らかにしつつ問い合わせてみたところ、普通に参加することができました。
会場に着くなり、どんな層の人がこの説明会に足を運んでいるのかを興味深く拝見したのですけど、やはり40〜60代と思しき方が多く見受けられ、20〜30代の比較的若い人は少なかったと思います。販売されているツアーの金額を考えれば無理もないことかもしれませんが……どうなんでしょうね。告知を派手にやっていないからとか、そういう理由はあるのかな?ただ、男女比率については、予想以上に女性が多かったです。
近くの席に座っていらした、既に歳は80近いとかおっしゃっていたご婦人は、南極とか北極に行ったときの様子を周囲のご婦人に向かって盛んに話していました。さも地球上の観光地は行き尽くして、もう宇宙のほかに行くところなんてないわ、とでも言いたげなのか「もうこれでそろそろ終わりに」なんて言葉すら聞こえてきます。よほどお金持ちなのかな、とにかく凄い人もいらしている模様。
説明会は宇宙旅行クラブで事務局長を務める浅川氏の司会進行と解説によって行われました。2004年にSpaceShipOneが宇宙空間に到達したときから現在に至るまでの経緯がまず簡単に紹介され、そして(早ければ)2009年夏から商業宇宙旅行がスタートする予定であることが明らかにされました。今年1月23日にニューヨークでお披露目した新しい機体、SpaceShipTwoは今夏完成、その後一年間にわたり試験飛行を行いますが、これは安全性が確認されるまで何度でも行うとのこと。
興味深かったお話としては、参加者の事前訓練はSpaceShipTwoの母艦で一部がそのレプリカにもなっているというWhiteKnightTwoを用いる予定であること、ニューヨークでの発表後申込者が急増しており昨日か一昨日にも日本からの参加者が一名確定したということ、スケジュールよりも安全第一に考えており就航前にはRichard Branson氏が自ら家族を引き連れ宇宙を目指す予定であること、等。以下は、会の最後に行われた質疑応答のごく簡単な覚え書き。
- 宇宙飛行士認定証はもらえるのか?
- わからない。ただ、演出に力を入れる会社なので、それに類するものを提供する可能性はある。
- いつ宇宙に行けるのか?(質問者は実際にこのツアーに申し込んでいる稲波氏)
- 機体の製作は予想以上に早く進んでいるが、早くて来年夏以降としか言えない。
- 宇宙旅行クラブ専用の貸し切りフライトの飛行予定はいつ?
- 今後相談させて欲しい。
- 参加資格は?
- 年齢については18歳以上で上限はない。健康であれば問題ないはずだが、詳細は未定。
- 無重力でいる時間帯に何ができるのか?
- 具体的には決まっていないが、パイロット2名のうちの1名はアシスタントで、何らかの演出をするかもしれない。
- 工場や空港の見学ツアーはないのか?
- 製造現場は秘密で、簡単には見せてもらえない。
- 将来計画についてはどうか?
- 周回飛行に関するコメントは出てきている。
- 機体の窓からの眺望は?
- いつでも外を見れるが、シートベルトを外せるのは無重力環境の時間だけ。
ちなみに以下は、僕自身が行った質問2件。
- 開発状況の透明性は申込者にはどの程度確保されるのか?
- 昨夏の事故については、調査委員会が結果を出すまであと1ヶ月くらいかかる(調査報告書は既に出ている)。今後もVirgin社が発表次第、伝えていく。
- 他社の弾道飛行ツアーからの「乗り換え」をした場合、割引等はあるのか?
- まったく違うプロジェクトであり、基本的には別物と考えているため、割引等はない。