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育てたように子は育つ—相田みつをいのちのことば

帰省中に母さんから一冊の本をプレゼントされました。自宅に帰ってくる途中、電車内で息子が昼寝し始めたのを機に、一気に読了。その本とは「育てたように子は育つ—相田みつをいのちのことば」。相田みつを氏の書画20点のそれぞれに、児童精神科医の佐々木正美先生が解説を加えるというもの。単に加えるだけではなしに、佐々木先生の治療現場での実体験、つまりどういう患者さんがいたとか、どういうアドバイスを与えたとかいう話も(ごく簡単にですが)添えられています。

相田みつを氏の書かれた言葉というのは一点一点に趣と同時に含蓄があり、それを読む/見る側の心を少なからず揺さぶるもの。取り上げられているなかでは、なんといっても本書のタイトルにもなった育てたように子は育つ、が印象的というか強烈。実際に子供を授かり日々悩んだり考えさせられたりする身にとって、ある意味これほどプレッシャーを与えてくれる言葉はないかも。自分の何気ない言動なり接し方すら、積もり積もって子供の人格を形成していくことの恐ろしさといったら、もう。と同時にこの言葉は、自分の両親に対する感謝の念をも喚起するものですね。僕の両親が育ててくれた結果として今の自分がある。たとえどれほど身勝手に自分一人の意志と選択で歩んできた人生などと粋がってみたところで、すべての礎を築いてくれたのは親からの教えであり、それ無しには今日感じることのできる幸せは無かったかもしれないのだから。幸せといえば、しあわせはいつも自分の心が決めるという書画も取り上げられています。それもまったくもってその通りなのだけど、その気づきをいつ、何をきっかけに体得するかって、生きるうえですごく重要な気がします。そこはひとつ念頭においたうえで子育てに取り組んでいきたいな。

面白かったのが、末尾にある文庫化記念の特別寄稿。相田みつを氏のご長男で、相田みつを美術館館長の相田一人氏が、父との思い出を語られています。宿題もせずに遊んでいた一人氏に対しあるときみつを氏がやれなかった やらなかった どっちかなと書いた色紙を贈り、なんて嫌味な親父だろうと思ったとのこと。それは確かに嫌味だよなぁ、自分ならついカッとなってゴミ箱に放り投げてしまいそう。でも、他人事として客観的に考えてみればそれほど酷くは聞こえないし、むしろこの言葉は使える!とか思いました。僕自身に対して、そしてまたいずれ僕の子供に対して投げかける言葉として。

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