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脳を活かす勉強法

茂木健一郎著「脳を活かす勉強法」を読了。それほど多くない文章量と手頃な値段から、衝動買いした一冊です。実際わけなく読み終えられたのですけど、なるほど本書に(著者の肩書きから)最新の脳科学から得られた知見に基づく勉強法を期待してしまうと、残念な思いをすることになりますね。というのも、基本的には著者の成功体験(後になって巻き返しをはかり学年トップになるとかいうパターン等)がありきで、脳科学に関する内容(ドーパミンがどうの)というのはほんの少しばかり、後付け的にしか登場しません。それでも、僕は茂木氏の勉強遍歴であるとか、その自身による解析なんかを興味深く読ませていただきました。

まじかよって思ったのは高校時代、定期試験の前になると僕は教科書を全文丸暗記するようにしていましたとのくだり。というのも、僕もまたありとあらゆるものを暗記しては定期試験をクリアしていた(そして学年トップを維持していた)けれど、それが通用したのは中学を卒業するまでのことで、高校に進学するなり激しく落ちこぼれた&途方に暮れたから。覚えるべき対象が激増したってわけではなく、試験の内容が主として物事の理解力を試すようになったという変化に主な原因があったと思っています。そして多分、暗記には種類があって、理解力の獲得・向上を並行して行う暗記と、そうでない(浅く表面的にしか物事を捉えない)暗記があり、茂木氏は前者で僕は後者のタイプだったんではないかと察します……しかし高校に入っても全文丸暗記していたとは、本当に凄い。記憶力の良さを誇示するだけのことはあるのでしょうね。

大いに同意したのは、日本では文系・理系という区分をします。これはナンセンスな話だと思いませんかという問いかけ。これについては、随分昔の話になるけど、1999年から2000年にかけての年末年始に南極を旅行した際の日記日本の教育過程においてよく理系か文系かといった区分がなされるけれど、それは既にナンセンスと記してますからね。それと、氏が留学した先のトリニティカレッジを変人しかいませんとか書いてましたが、それも何となくわかる話な気がする。変人を変人たらしめる要素に頭の良さがあるならば、彼らの多くは偏差値が高いはずで、そういう学校に集まってくるのも当然の帰結。偏差値のより高い学校を目指す理由の一つとして、そういう変人と一人でも多く出会うことを期待するってのは、アリなんじゃないかな(もちろん良い意味で)。

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