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Webプロフェッショナルのための黄金則 XHTML+CSS虎の巻

大藤さんの最新著作、「Webプロフェッショナルのための黄金則 XHTML+CSS虎の巻」もまた、Amsterdam出張中に読み終えた本のなかの一冊です。表紙に大きく貝の化石?の写真が使われているのがとても印象的。というのも、貝というと僕はどうしてもEricのことを思い浮かべてしまうんだなぁ(話題がWeb標準、という点で共通しているし)。「Eric Meyer on CSS」のProject 12とか、Complex Spiral Consultingのサイトでも貝が使われています。

本書は「ガイドライン編」「ハウ・トゥ編」「Q&A編」「トラブルシューティング編」のそれぞれにおいて、XHTMLやCSS、あるいはブラウザのレンダリングについてのベストプラクティスを取りまとめたもの。初学者がつまずきそうなポイントは網羅されていると思いますし、各ポイントは(文字量的には)コンパクトながらも、図解や具体的なソースサンプル、画面キャプチャをふんだんに用いて解説されており、読みやすいのではないかと思います。

気になったのは、本書をプロ向けの内容として定義すべきなのかどうか?という点。書籍のタイトルからしてそう定義されているのは自明なわけですが……「こういう場合にはこう対処すべき」といった類のわかりやすさの陰には問題の本質であるとか、別種の解決策という可能性がどうしても隠されてしまいがちなわけで。まえがきのなかで大藤さんは「どう対処すべきか」「どの方法を選択するべきか」ということを短時間で判断できるようにするための“資料集”のような本と書かれていて、実際そのように構成もされているのですけど、例えばTheme 001にあるように「XML宣言は付けない」なんて大きく書かれてしまうと、もうそこで思考停止してしまう人も(世の中的には)いると思うのです。そういうわけで、便利な一冊には違いないけど、プロの人が読むならば、そういった点に十分留意したうえで読むのが吉だろうと思いました。

もう一点気になったのは、(書名にしろ何にしろ)なぜXHTMLであってHTMLあるいは(X)HTMLではないのか?という点でしょうか。最新の仕様に即した、という解釈においては何ら問題ないのですけど。Web標準といえばXHTML+CSSであり、つまりマークアップ言語には(HTMLではなく)XHTMLを使うべきだ、みたいな論調を見かけたのですが、もちろんそんなことはありませんから。なんとなくですけど「プロはHTMLを使うべきではない」みたいなステレオタイプが広がるのは嫌だなぁ、みたいな。

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