アースラウンジ vol.5「Earth Coding-地球を実装せよ」
著
昨日の午後のことですが、久しぶりにお台場にある日本科学未来館まで出向き、アースラウンジ vol.5「Earth Coding-地球を実装せよ」に参加してきました。なんとなく、「実装」というキーワードが気になってしまったのと(←職業病かもしれない)、第2部の対談を是非生で聞きたくてね。
第1部では「Earth Codingプロジェクト・ショーケース」と題し、本イベントの副題であります2006年度上期未踏ソフトウェア創造事業 北野PM 開発成果報告会
と、そのプロポーザー&ファシリテーターによるパネル・ディスカッションが催されました。実は睡眠不足がたたってディスカッション部分はかなりの部分聞き逃してるんですが(汗)、個々の研究内容は自分には思いつきもしないテーマばかりで新鮮でした。
なかでもPICSYの発表が面白かったかな。悪徳な医者と善良な医者を例に説明したPICSYの効果(Web上でも漫画で説明されています)がわかりやすく、実現可能性はさておき今後のさらなる研究が楽しみではあります。OpenTraceの発表でも感じたことだけど、インターネットの普及であたかもあらゆる情報が入手可能な状態にあると錯覚しがちですが、実際には可視化されたり定量的に評価されていない情報なんてまだいくらでもあって、そのなかには社会にとって非常に大きな影響力や可能性を持ったものもある、ってことなんですよね……Webに公開されているかどうかはわからないけど、同じ鈴木健さんが紹介された、私的所有なんかの生物学的起源を探求するムービーも面白かったので、是非もう一度見たいところ。
そして第2部では、ロボット工学等の分野で著名な北野宏明氏と、インターネット界隈で有名な伊藤穰一(Joi)氏が地球環境問題と情報技術社会についてお話されるという点で、とても楽しみにしていました。ちなみに御二方とも、著書やWebを通じては一方的に存じ上げてましたが、リアルでお話を聞くのはこれが初めて。
大まかな話の流れとしては、環境問題はトップダウンよりもボトムアップでこそ解決するだろう、ということ。政府主導が常に正しいわけではなく(政治と特定企業/団体との癒着は判断を誤らせかねない)、それは専門家とて同じ(ひとりひとりの想像力には限界がある?)。そこは失敗することのコストが0のアマチュアが積極的に取り組んで、(No Impact Manを例に)Webで情報を公開してイノベーションがオープンに伝播するようにすれば、良い方向に進むのではないか?と。
そうした意見には、やや楽天的に過ぎる印象も抱きましたが、環境問題の行き着く先は最終的にはこの星に生きるひとりひとりがどれだけ危機感を持てるか次第であり、その啓蒙的プロセスにおいてインターネットが果たし得る役割は決して小さくないという意味では、同意せざるを得ません。
以下余談ですが、お台場に向かうゆりかもめでレインボーブリッジを渡るとき、ぼんやり風景を眺めながら随分とマンションが増えたなぁ、と思いました。Seattleにいた頃から「水辺のある景色」には憧れがあり、そうした景色と共に生活することも将来的に考えなくもないけど、温暖化に伴う水位上昇とか、短期的にみて必ず発生するであろう大地震のときのことを考えると、東京湾岸にあるタワー型マンションに住むだなんて(仮にそれだけの経済力があったとしても)想像しただけで空恐ろしくなってしまいます……でも実際のところどうなんでしょうね(謎