Web標準XHTML+CSSデザイン クリエイターが身につけておくべき新・100の法則。
著
少し前に社内で話題になった「Web標準XHTML+CSSデザイン クリエイターが身につけておくべき新・100の法則。」を(ざっとですが)読みました。対象読者は初級者から中級者
とのことで、全体的によくまとめられていると思いますが、以下個人的に気になったことなど。
- p.14でW3CのMarkup Validation ServiceとAnother HTML-lintを同じもののように扱っているのは、少し前にあった議論(Another_HTML-lintへの言及 - 徒委記参照)を読む限り、あまり好ましくないかもしれない、と思いました。
- p.25で、id属性を用いるとURLとして当該フラグメントが参照可能になる点にも言及されると良かったのではないかと思いました。
- p.36の下部にあるリンクタイプの表に誤りがあります。appendixが重複していたり、prevとstartがくっついてしまっていたり。
- p.56で
基本的な表のマークアップ
のXHTMLソースがあるのですが、thead要素が存在しないので、すべてのtr要素は単一のtbody要素に包含されるように思いますが、はじめからthead要素やtfoot要素を用いるべきではないか、と感じました。 - p.65の法則31-3にある見出しに違和感がありましたが、訂正情報に掲載済みでした。
- p.66以降、「specificity」の訳語として「個別性」が選ばれていますが、自分は「詳細度」派です。
- p.68で「Quirks Mode」を「過去互換モード」として訳されていますが、自分は「後方互換モード」派です。
- p.132で
音声ブラウザではユーザーが特定の操作をするとtitle属性の内容が読み上げられるため、アクセシビリティの向上にもつながる
とありますが、サンプルソースを拝見する限り、リンクラベルとtitle属性値が同一ゆえに冗長な読み上げになることが懸念され、アクセシビリティ向上と言い切れるかは微妙かもしれない、と思いました。 - 同様に、p.136で
区切りを表す大なり「>」の画像をimg要素で配置し、alt属性に「の中の」と指定する方法
が紹介されていますが、階層が深くなればなるほど日本語として微妙な感じになるわけで、アクセシビリティ面に重点を置いているサイト
にはなおさら、推奨しにくいように思いました。 - p.152にある表記「ATOM」に違和感。仕様名としては「Atom」ではないかと思います。
- p.158に紹介されている手法、
テキスト量が一定ではない場合
に対応ができないことを触れていますが、仮に一定であってもユーザー側で文字サイズを大きく表示させた場合も同様である点は言及すべきだったかもしれません。 - p.164に誤記。di要素ではなくdl要素ですね。
- p.174で枠付きで紹介している手法、
floatプロパティを指定し、widthプロパティを指定しない
のは、p.96の法則46-1(widthの指定を忘れない
)と矛盾していますね……。 - 第6章「プロを感じさせるデザインの法則」は、法則99を除きほとんどWeb標準と直接関係がなく、やや残念に思いました。